宇宙

2023.05.24 15:00

新発見の超新星「SN 2023ixf」を消える前に見る方法

おおぐま座の中にある渦巻銀河、M101( X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical: Detlef Hartmann; Infrared: NASA/JPL-Caltech)

おおぐま座の中にある渦巻銀河、M101( X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical: Detlef Hartmann; Infrared: NASA/JPL-Caltech)

新しい超新星が夜空に出現したというニュースはすでに聞いたかもしれないが、あなたはそれを自分で観測してみただろうか?

恒星が崩壊し、鮮やかに飛び出す光と共に爆発した結果である超新星は、宇宙時間スケールでは普通の出来事だが、人間の一生の間に起きることは比較的まれだ。

この超新星「SN 2023ixf」は先週、日本のアマチュア天文家によって遠い銀河で発見されると、たちまちSNSで話題を呼び、世界中のアマチュア天文家が望遠鏡で撮影した画像を投稿した。

SN 2023ixfがいつまで観測可能かは不明だが、数週間にわたり明るい点として見えた後に消えることが多い。ただし、何カ月間も見え続けることもある。

この超新星は、私たちのいる天の川銀河の中ではなく、「風車銀河(Pinwheel Galaxy)」ことM101の中にある。この銀河は太陽系からおよそ2100万光年の距離にあり、正面が地球に向いている「フェイスオン」渦巻銀河の中で最も美しいものとして知られている。直径はおよそ17万光年で、天の川銀河の2倍だ。

SN 2023ixfは北斗七星のあるおおぐま座の中に位置するため、南半球の天文家には見えない。北斗七星は、北極星を周回する「周極星」で構成されているため、北半球からは一年中見える。

M101は、夜空で最も大きく最も明るい銀河の一つで、正面から見ることができるので、SN 2023ixfは比較的見つけやすいはずだ。

以下に、SN 2023ixfが消える前に観測する方法を3つ紹介する。

まずは正確な位置を確認

星図サイトの「Stellarium Online」を使って、まずは渦巻銀河M101を見つけよう。ひしゃくの形をした北斗七星の柄の部分にあるミザールとアルカイドの下にある。
渦巻銀河M101の端にある超新星「SN 2023ixf」の位置(Craig Stocks/NASA)

渦巻銀河M101の端にある超新星「SN 2023ixf」の位置(Craig Stocks/NASA)


1. 小型望遠鏡を使う

SN 2023ixfは、どんな小型望遠鏡でも簡単に見ることができる。一番いいのは、北斗七星のミザールとアルカイドからたどる方法だ。M101銀河は、ミザール、アルカイドと三角形を作っている。

2. オンラインでライブ中継を見る

日本時間5月26日金曜日の午前7時00分から、「The Virtual Telescope Project」がSN 2023ixfの映像をライブ中継する。観測には、イタリア・チェッカーノ天文台の14インチと17インチの望遠鏡が使用される。

3. スマート望遠鏡を使う

もし、Unistellarの「eVscope」や「eQuinox」、Vaonisの「Stallina」や「Vespera」といったスマート望遠鏡を持っている人は、スマホアプリに「M101」や「Pinwheel Galaxy」と打ち込むだけでSN 2023ixfを見つけられる。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫・編集=遠藤宗生

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事