EXIDEA 代表取締役小川 卓真(以下、小川):私たちEXIDEA(エクシィディア)の事業ドメインはデジタルマーケティングなんですけど、 部門が3つあって、1つ目はウェブメディア、2つ目は企業に対してSEO対策・動画のマーケティング、そして、3つ目の事業がまさにChatGPTが絡むところになっていて、SaaS型のSEOのツールなのですが、特にライティング(記事起こし)をメインとしたSEOツールなんです。
それで、前々からどうやってコンテンツで自動生成できるかなということは、色々チャレンジしてきています。
GPT-2の頃から、独自のデータを与えることによってGPTの返す結果の質を高めることができるか、などさまざまにチャレンジしてきたのですが、ここに来て3.5とか4が出て、APIも提供されたので、どうツールに取り込んでいこうかと考えています。
私たちは、SEO業務で蓄積したテキストとキーワードのビッグデータを保有しています。このデータを利用して、よりSEOに適したコンテンツを作成できるよう精度の高いスコアリングロジックを開発してきました。
そこにChatGPTをどう活用すれば、人間の作業負荷を軽減しつつ、質的にも優れたコンテンツを生み出せるのかということにチャレンジしています。
EXIDEA CTO梶野 尊弘(以下、梶野):私は大学での専攻がコンピュータサイエンスで、社会人になってからの業務はSRE系(Site Reliability Engineering)がメインでした。また、元々の研究がAI系でChatGPTに関連する自然言語処理もやっていたので、生成AIに関連する最近の動向には自然に対応できています。自分が任されている事業部で、ツールの開発からセールスまでの全般を担当しています。
EXIDEA 取締役CPO 曽根 康司(以下、曽根):補足すると、小川の言っている「ライティングをメインとしたようなSEOツール」というのが、当社の提供してるEmmaTools(エマツールズ)というブラウザ上で動く、SaaSのツールになります。
GPTとはAPIでつながっていて、例えば「タイトルをつけてください」とか「章立てを考えてください」とか「文章を書いてください」といったことをボタン1つでやってくれるという機能を実装しています。あとは、SEOツールなので、他のコンテンツと類似していないかチェックする「コピー率チェック機能」もついています。ほかにも、もろもろの機能をブラッシュアップしている最中です。
ターゲットは企業か、個人事業主か、エンドユーザーか?
津本:どこのスタートアップもそうだと思うのですが、「アイデアはあるけれど、いざ売るとなるとセールスに課題がある」ように考えています。われわれ自身も研究室出身のメンバーばかりなので、営業戦略立案は専門外でもあります。ChatGPTに関連するEXIDEAのサービスを提供する先は、実際、どのような業種、企業規模になる感じでしょうか?小川:まず、現場感としては、ChatGPT関連のツールをSaaSとしての提供する以前に「ChatGPTを導入したいのだけど、どうしたらいいか?」というレベルの相談を受けることがありますね。具体的なソリューションを提供する一歩前という感覚があります。
EmmaToolsでChatGPT関連のプレスリリースを出したときは、やはり企業からの問い合わせも増えました。
津本:個人ユーザーというと、「個人ブロガー」といったイメージですか?
小川:はい、ブロガーのケースもあります。ご存じのようにWebコンテンツ制作、コンテンツ・マーケティングの世界はコンテンツ制作をする多くのフリーランスのおかげで成り立っている部分があります。事業会社と取引きしていても、事業会社を支援する広告代理店がいて、さらに代理店から業務を引き受ける個人や業務委託先がある。そのあたりも伸ばしていけないかと考えています。
曽根:業界構造的には「実際に手を動かしてる人がどこにいるのか?」の見極めが肝心な気がしています。そして、その人たちが実際に「AI使い」になっていくのか、なりたいのか判断する段階であるという、やや難しい局面にいる印象がありますね。