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2023.05.24

「ChatGPT周辺サービス」 優先見込み市場と今のマストアクション

バナー広告、PRリリース文も自動生成?

津本:今後の開発案件では、バナー広告の自動生成にもチャレンジしています。自動生成は難易度が高い印象もあるのですが、AI画像生成サービスの「Midjourney(ミッド・ジャーニー)」などを使えば、意外とそれらしいものが仕上がるんですよね。


僕らは、こういった「バナーっぽい感じ」のデザインを実現するプロンプト(AIに指示する言葉)を独自に持っています。

例えば、画像生成AIに、実際の商品画像を入れて作らせるのは難易度が高い印象だと思いますが、いまやそれが出来つつあるのです。

あとは、文字をAIに入れてもらおうとすると、おかしなものを入れられてしまう可能性がまだ高いので、修正できるようにも設計しています。

梶野:Canva(無料デザインツール)などもアイキャッチ画像を提供しています。そことの差別化はどうしますか。

津本:Canvaは、まずテンプレート(中身は空、構造だけ)を作ってから、いろいろと手を加えて完成させていく。そうではなくて、完成部をさくっと作ることが出来て、あとは文字だけを入れれば完成、といったツールを求めているユーザーがいると思っているんです。

梶野:なるほど、多分その層はいると思いますね。PRリリース文とか、全部AIがやってくれると期待していたりします。当社のEmmaToolsで部分的に実装出来ている部分でもありますが、全部AIがやってくれると期待している層も厚いです。

津本:なるほど。だとしたら、もう本当に人手が足りないから、安く全部やってくれることを求めている会社を広く浅く攻めるのも良さそうですね。

梶野:そうですね。実際はカスタマージャーニーを組んでみないと分からないですが。

小川:逆に現在は、とりわけ大企業はポリシー的に厳しい面があったりするためにAIを使えないケースも多いと思うので、個人事業主や中小企業が見込み市場になるのかもしれません。

もう1、2年経てば、AIの伸びが爆発的なものになって、大企業もAIを使わなければ、競争に勝てないみたいな状況までなるのではと思っています。

スタートアップ側も早い段階にどんどんチャレンジして、サービスとして何が市場にフィットするのか、確かめておかなければと考えます。その時が来てからでは間に合わないので。




曽根康司(そね・こうじ)◎EXIDEA取締役/CPO(Chief Product Officer)。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程EMBAプログラム修了(MBA)。時計店経営・バイヤーからインターネット業界に飛び込む。アマゾンジャパン、ヤフー、キャリアインデックスを経て、2022年7月よりEXIDEAにジョイン。「焼肉探究集団ヤキニクエスト」メンバーでもあり、全国数百件の焼肉店を食べ歩いている。

文=曽根康司 編集=石井節子

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