平議員によると、彼のチームは、国会議員約10名とWeb3に詳しい民間の弁護士6名、岸田首相に直接助言を行うインフルエンサー10名らによって構成されている。「このチームがまとめた政策提言は、ほぼそのまま自民党に採用され、かなりの部分が政府の政策に採用される」と彼は説明した。
「彼らの暗号資産の捉え方は、テクノロジーが何を可能にし、現行の規制がどのような点で実行不可能であるかに触れている点で、この分野に深く精通したものだ。彼らは、アナログな規制はデジタル環境では機能しないと言っている」と、クリプト・カウンシルのウォーレンは述べている。
起業家を苦しめる日本の規制
しかし、現状のルールで日本は、ブロックチェーン分野の起業家を歓迎する国とは言い難い。厳しすぎる規制に加えて、特に日本の税の仕組みはこの業界にとって敵対的で、当局に新たなコインを認可してもらう手続きも複雑だ。ブロックチェーンを用いたゲーム会社「Murasaki」の創業者の村田晋之佑は、最近、事業をオランダに移したが、その理由を昨年10月にNikkei Asiaに寄稿した文章で「日本ではこのビジネスが実行不可能だったからだ」と説明した。
日本では、暗号資産の含み益に対する法人税率が約30%に設定されているため、ブロックチェーンベースのビジネスを軌道に乗せるのは極めて困難だと村田はフォーブスに説明した。「100万円相当のトークンを100個発行した場合、たとえ利益を生まなくても、翌年には3000万円の税の支払いが必要になる。このような環境下でトークンを発行できるスタートアップは存在しない」と彼は指摘した。
さらに、日本では新たなトークンの上場審査に数カ月を要する場合もあり、その結果、日本の暗号資産市場は他国よりも流動性が低く、成長が大幅に遅れることになると村田は指摘した。
「日本は、そのような障壁のために、1億ドルのビジネスを構築できる起業家を失っている」と彼は嘆いている。
一方、昨年末に自民党の税制調査会は、独自のトークンを発行するスタートアップに対し、含み益に対する法人税の支払いを免除する案を承認した。今回のホワイトペーパーには、他社が発行した暗号資産のうち短期売買目的でないものを課税対象から除外し、暗号資産が法定通貨に交換された場合にみ課税対象にするなどの提言が盛り込まれている。
また、金融庁は今年後半にステーブルコインの国内流通を解禁する計画で、正確な時期や許可されるコイン未定だが、6月には決定が下される予定という。
「これらは非常にエキサイティングなことであると同時に、日本が消費者を保護しつつイノベーションのためのスペースを確保する柔軟な規制のあり方を、世界に示す動きだと言える」と、クリプト・カウンシルのウォーレンは語った。 「その背後にあるメッセージは、日本が再びイノベーションの最前線に戻ってきたというものだ」と彼女は続けた。
(forbes.com 原文)