北米

2023.05.10

経営破綻したFTX創業者、ほぼすべての訴因却下を要請

2022年12月22日、ニューヨークで罪状認否と保釈の審理を終え、マンハッタン連邦裁判所を去るFTX創設者のサム・バンクマン=フリード(Photo by Michael M. Santiago/Getty Images)

昨年11月に経営破綻した暗号通貨取引所FTXの創業者サム・バンクマン=フリードは8日、連邦検察が自身に対する起訴状に記載した訴因のほとんどを却下するよう、ニューヨークの連邦裁判官に対し要請した。

ニューヨーク南部地区連邦裁判所に提出した書類で、バンクマン=フリードの弁護団は、連邦政府の行動を「過剰で劇的」と批判。本来は民事訴訟や規制問題として扱われるべきものを、連邦犯罪に変えていると主張した。

弁護団は、FTXの破綻が2022年の「暗号通貨の冬」と呼ばれる現象の結果であると主張。さらに、最初の連邦起訴状には「曖昧で具体性のない訴因」が記載されており、後に追加された訴因も、バハマと米国との間の引き渡し合意に違反していると指摘している。

弁護団はまた、FTXの債権者と、破産した同社の再建を監督しているジョン・レイCEOが、検察側に有利な証拠の提出に応じる一方で、バンクマン=フリードの弁護に役立つ重要な証拠を隠していると主張している。

弁護団は計13件の訴因のうち10件の却下を求めている。

FTXは評価額がピーク時に320億ドル(約3兆7000億円)に達したが、昨年11月に流動性危機に直面し、突如破綻した。その後、CEOに就任したレイは、バンクマン=フリードと経営陣を痛烈に批判。バンクマン=フリードは昨年12月、バハマで逮捕され、米国に送還された。連邦検察は当初、バンクマン=フリードを電信詐欺やマネーロンダリング、選挙資金法違反など8件の訴因で起訴。その後さらに、5件の訴因を追加した。

バンクマン=フリードはすべての罪状に対して無罪を主張している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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