農業ビジネスのDAOコミュニティー、ブロックチェーンとオープン化で狙う

Metagri研究所公式ホームページより

ブロックチェーンを活用して新しい農業モデルの実験を繰り返しているMetagri研究所は、農作物と交換可能なソーシャルトークンを発行するDAOコミュニティーを立ち上げました。そこでは農業のノウハウが共有され、農家と消費者がブロックチェーで直接つながることで、新しい時代の農業ビジネスモデルの構築が期待されます。

ちなみに、DAOコミュニティーとは分散型自律組織のことを言います。特定の管理者を置かず、参加者全員が自律的に運営にあたり共通の目標を目指す、ブロックチェーンならではの自由なネットワークです。

Metagri研究所は2022年3月にスタートした農業支援コミュニティーです。当初のメンバーは5人でしたが、2023年5月には530人を超える規模に成長しました。これまで、チャットアプリDiscordのコミュニティーを通じて農家と消費者を直接つなぎ、農作業お手伝いイベントの開催や作物の直販などを推進する農家支援活動、愛媛県松山市の中島をメタバース化して中島のミカンと世界とをNFTとDAOコミュニティーで結ぶ「メタ中島プロジェクト」などの地方創生活動を行ってきました。また、農業に関するノウハウをコミュニティー内でオープン化して、農業のPDCAサイクルを高速化する試みも続けています。

さらに、農業の分散型金融(Fi)の構築を目指す「FarmFi」構想も掲げてきました。NFTとFTを活用して、農家と消費者が互いに支え合って利益が得られる新しい農業経済圏を作ろうというものですが、このたびそれが、ブロックチェーンアプリの開発に実績のあるスタディメーターとの協力で実現しました。
このDAOコミュニティーでは、Discordのコミュニティーを通じた活動の貢献度に応じてソーシャルトークンが分配されます。このソーシャルトークンはNFTに変換することで、農作物をはじめ、書籍、コミュニティー限定商品、サービスの購入やセミナー参加が行えます。

Metagri研究所のDiscordコミュニティーには、農家のほか、学生、会社員、さらには福祉従事者、医療従事者、公認会計士などの専門家も多く参加し、農業について活発に議論が行われています。このDAOコミュニティーが大きく広がれば、農家だけでなく各種専門分野のノウハウが結集して、日本の農業に大きな変革がもたらされるかもしれません。


Metagri研究所のDiscardコミュニティー
https://discord.com/invite/hyw3AkKa8e

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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