・「周期的ため息」をつく
人類が大昔から持っていた知恵が、研究によって科学的に裏づけられる例は、ここ数年ますます増加している。例えば、吸う息より吐く息が長い呼吸は脳に「何も問題ない、脅威はない」と伝えることになるという。スタンフォード大学医学部が発表した論文によると、研究チームが「周期的なため息(cyclic sighing)」と名付けた呼吸法は、その他の呼吸法(またはマインドフルネス瞑想)以上に、気分に大きな影響を与えることがわかったという。
論文の責任著者であるデービッド・シュピーゲル教授(精神行動科学)はこれについて、吐く息の方を長くする呼吸のパターンが、リラックスしているときに優位になる副交感神経系の反応を促すためではないかと説明している。
また、この研究結果で得られた最大の成果は、実験に参加した人たちが効果を感じるまでにかかった時間が、わずか5分だったということだ。
・ガムをかむ
ガムをかむことの効果については、すでに1939年から研究が行われている。それらの結果が示しているのは、普段はあまりガムをかまない人に積極的にガムをかんでもらったところ、多くがストレスや不安が軽減されたと報告していることだ。せわしなく働く脳の活動を完全に鎮めるほどの効果はなさそうだが、一時的に、少しリラックスした気分にはなれるようだ。
・音楽をかける
音楽に心理的な(そして生理的な)効果があることは、直観的に理解できることだろう。それは、研究によっても裏づけられている。音楽を聴くことはコルチゾールレベルを下げ、不安感を弱め、エンドルフィンの分泌を促し、前向きな感情を高めるとされている。また、音楽は脳の機能にも影響を及ぼすという。鳥肌が立つような、あるいは幸せな気分にしてくれることがわかっている何曲かを聴くことで、脳をリセットすることができるだろう。
(forbes.com 原文)