より健康的な世界の構築のためにリーダーがするべきこと

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今すぐに行動を起こすことで、私たちの子供や孫のために住みやすい未来を残すことができる。これは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した最新の報告書の中で、声高に叫ばれている言葉だ。この報告書では、産業革命前と比較して地球の平均気温を1.5度の上昇に抑えこむためには、2030年までに温室効果ガスの排出量をほぼ半減させる必要があることを強調している。

では、地球を長期的に存続させるためには、リーダーは実際に何をすればいいのだろうか。より健康的な世界に自然と結びついていると思われるセクターのひとつが、ヘルスケア分野だ。気候変動と生物多様性の喪失は、どちらも人間の健康に壊滅的な影響を与える可能性がある。

イギリスのヘルスケア企業Bupa(ブーパ)のチーフ・サステナビリティ&ピープルオフィサーのナイジェル・サリバンは、人々の健康と地球の健康は密接に結びついていると強調する。彼は、「私たちは75年以上にわたって人々の健康を見守ってきましたが、地球の健康にも目を向けなければ、私たちの仕事を続けることはできません」と説明する。「だからこそ、私たちのビジネスは、地球を最新の患者として受け入れているのです」。

ブーパは、自社内に持続可能性アカデミーを立ち上げ、指導者レベルから現場で企業の二酸化炭素排出量に最も影響を与える人々に至るまで、社員のスキルアップを図っている。サリバンは、「気候関連問題の理解を深め、実際の変化をもたらす方法を学ぶことで、持続可能性目標の達成に貢献できるのです」という。「また、社員が持続可能性問題に関する知識を深め、それらに対処するための革新的なアプローチをとることを奨励する人材プログラムも立ち上げました」。

サリバンは、組織がネットゼロ(温室効果ガス排出量とその削減量が相殺される状態)の未来に円滑に移行するためには、全てのチームに「変革のマインドセット」が必要だと主張する。彼は、「それは、進捗状況の報告や炭素排出量の削減の責任が、調達、技術、リスク、財務、M&A、不動産などの全ての機能を持つ組織全体に広がることを意味します。ブーパのような企業にとっては、臨床や保険数理チームも同様です」と説明する。
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翻訳=酒匂寛

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