環境とクリニカルケア
Sustainable Healthcare Coalition（持続可能なヘルスケア連合）の議長であるフィオナ・アズヘッド博士は、医療のネットゼロ化においては、臨床的リーダーシップが極めて重要な役割を果たすと確信している。彼女は、「患者さんへのケアの一つ一つの決定が、環境への影響を考慮しながら、最高の健康結果を促進するように、システムルールを再設計する必要があります」と語る。医療従事者は自分たちの治療が環境に与える影響について、当然ながら関心があるとアズヘッドはいう。「臨床医は、患者さんや患者さんの住む地球の事を深く思い、自分たちの行うケアを改善したいと願っています」と説明する。「環境に配慮した医療の意思決定をサポートするための、使いやすいツールを与えることで、彼らが簡単に関与してくれることがわかりました」。
さらに、協力的なリーダーシップは、変革をもたらす上で非常に役立っていることが証明されている。アズヘッドは、「臨床医、産業界、保健提供者を集めて、臨床ケア提供の課題解決に焦点を当てる私たちのアプローチが、エネルギーを解き放ち、革新を促すオープンで正直な会話につながることがわかりました」と説明する。
従業員を持続可能性に関与させる
慈善団体フォーラム・フォー・ザ・フューチャー（Forum for the Future）の最高経営責任者であるサリー・ウレン博士は、組織内で持続可能性のアジェンダが実現するかどうかを決定する上で、個々人のマインドセットが重要な役割を果たすことを忘れてはならないという。「最も効果的な持続可能性戦略は、組織のあらゆる部分に浸透し、方法は違っていても、すべての人に関係があると感じられるものです」と彼女はいう。「持続可能性はチェックリストにただ印をつける作業ではありません。真の持続可能性は、深い変革で、しばしば文化の変化を伴うものなのです。現場の従業員の関与なしに、組織が持続可能性について異なる考え方や行動をとることを期待することはできません」。
ウレンは、リーダーシップが野心的な持続可能性戦略に必要なアプローチと態度を模範示す上で重要な役割を果たすと付け加える。「取締役会レベルのサポートが重要です」と彼女は指摘する。「権力と責任を持つ人々からの、目に見えるリーダーシップも同様に重要なのです」。
（forbes.com 原文）
