バズフィードのジョナ・ペレッティCEOは、バズフィード・ニュースの閉鎖プロセスを開始し、ハフィントンポストを含む全部門の従業員の15%を削減するとのメモを従業員に送付した。
2021年に国際報道のピューリッツァー賞を受賞したバズフィード・ニュースは、収益の問題で閉鎖されるとペレッティは説明した。「当社は、質が高い無料のジャーナリズムを支えるための十分な経済的サポートがなかったにも関わらず、過剰な投資をしてしまった」と彼は述べた。
ペレッティはまた、パンデミックやテクノロジー業界の不況、株式市場の下落、デジタル広告市場の減速などの課題を、今回の決断の背景に挙げたが、ニュース部門の閉鎖に至ったことを後悔しているとも述べた。
バズフィードは今後もメディア企業として運営を続け、より収益性が高いハフィントンポストに、ニュース関連の取り組みを集中させていく構えという。同社は、レイオフやバズフィード・ニュースの閉鎖に加え、さまざまな経費の削減によって収益を生まない支出を減らしたとペレッティは述べている。
バズフィードは、メディア業界が収益の低下に直面する中、大規模な削減を行う最新の企業となった。ABCニュースやNPR、USAトゥデイの親会社のガネットに続き、ビジネスインサイダーとして知られたインサイダー(Insider Inc.)も20日に約10%のスタッフを削減すると発表した。
新聞社は流通コストや人件費の高騰に直面し、テレビ局もストリーミング業界との競争に直面している。さらに、今後の景気後退によってメディア企業の主要な収入源であるデジタル広告費が削減されるという懸念も浮上している。
2011年に始動したバズフィード・ニュースは、2021年にピューリッツァー賞を受賞した中国政府によるウイグル人の弾圧などの注目度の高いニュース記事で知られている。また、2017年に俳優のケビン・スペイシーのセクハラ問題を最初に報じたのもこのサイトだった。
しかし、ここ5年間でバズフィードは事業を縮小しており、2019年には従業員の15%を解雇し、2020年にはオーストラリアと英国での事業を停止した。また、2021年には、特別目的買収会社(SPAC)との合併により株式を上場したが、株価は上場初日に9ドルから6ドルに下落し、現在は1ドル以下で取引されている。
(forbes.com 原文)