暗号資産

2023.04.20

FTXの怪しさを見抜いていたテイラー・スウィフトの「眼力」

テイラー・スウィフト(Photo by Omar Vega/TAS23/Getty Images for TAS Rights Management )

テイラー・スウィフトは、破綻した暗号資産取引所FTXの「広告塔」となるアンバサダー契約を検討した著名人の中で唯一、同社のサービスが当局の規制を遵守しているかどうかを精査していたと、FTXを支援したセレブを相手取った民事訴訟で投資家の代理人を務める弁護士が4月18日に告白した。

契約の話を持ちかけられたスウィフトは、FTXの幹部に対し「これが未登録の証券ではないと説明できるか?」と質問していたと、弁護士のアダム・モスコウィッツ(Adam Moskowitz)はブロックのポッドキャスト番組The Scoopで述べた。

FTXは、スウィフトに1億ドル(約135億円)を提示し、彼女のツアーのスポンサー契約を持ちかけたが、その交渉は昨年春に決裂したとフィナンシャル・タイムズが報じていた。FTXの当時のCEOのサム・バンクマン=フリードはその交渉に深く関わり、自身を「テイテイのファン」と呼んでいたとされる

モスコウィッツによるとスウィフトは、取引に合意する前に弁護士に相談し、FTXについて適切なデューデリジェンスを行った「唯一の人物」だという。

モスコウィッツが代理人を務める投資家らは、NFLのスター選手のトム・ブレイディやNBAの伝説的プレイヤーのシャキール・オニールなどのFTXとアンバサダー契約を結んでいた著名人に50億ドルの損害賠償を要求している。

世界2位の富豪であるイーロン・マスクも、スウィフトの懸命な判断を称賛し、19日のツイートで「私は驚いていない。テイラーは頭がいいし、彼女の父親は著名な投資銀行家だ」と述べた。スウィフトの父のスコット・スウィフトは、メリルリンチ証券で数十年に渡り財務顧問を務めていた。

FTXの広告塔となったセレブに対する民事訴訟は、同取引所が破産を申請した直後に起こされていた。バンクマン=フリードは、FTXとアラメダリサーチにおける詐欺行為で十数件の刑事告訴に直面している。

フォーブスは、昨年6月時点でスウィフトの保有資産を5億7000万ドルと試算し、今年2月に昨年の年収を約9200万ドルと推定していた。バンクマン=フリードの保有資産は、かつて265億ドルとされたが、現在は400万ドルにまで減少した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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