契約の話を持ちかけられたスウィフトは、FTXの幹部に対し「これが未登録の証券ではないと説明できるか?」と質問していたと、弁護士のアダム・モスコウィッツ(Adam Moskowitz)はブロックのポッドキャスト番組The Scoopで述べた。
FTXは、スウィフトに1億ドル(約135億円)を提示し、彼女のツアーのスポンサー契約を持ちかけたが、その交渉は昨年春に決裂したとフィナンシャル・タイムズが報じていた。FTXの当時のCEOのサム・バンクマン=フリードはその交渉に深く関わり、自身を「テイテイのファン」と呼んでいたとされる。
モスコウィッツによるとスウィフトは、取引に合意する前に弁護士に相談し、FTXについて適切なデューデリジェンスを行った「唯一の人物」だという。
モスコウィッツが代理人を務める投資家らは、NFLのスター選手のトム・ブレイディやNBAの伝説的プレイヤーのシャキール・オニールなどのFTXとアンバサダー契約を結んでいた著名人に50億ドルの損害賠償を要求している。
世界2位の富豪であるイーロン・マスクも、スウィフトの懸命な判断を称賛し、19日のツイートで「私は驚いていない。テイラーは頭がいいし、彼女の父親は著名な投資銀行家だ」と述べた。スウィフトの父のスコット・スウィフトは、メリルリンチ証券で数十年に渡り財務顧問を務めていた。
FTXの広告塔となったセレブに対する民事訴訟は、同取引所が破産を申請した直後に起こされていた。バンクマン=フリードは、FTXとアラメダリサーチにおける詐欺行為で十数件の刑事告訴に直面している。
フォーブスは、昨年6月時点でスウィフトの保有資産を5億7000万ドルと試算し、今年2月に昨年の年収を約9200万ドルと推定していた。バンクマン=フリードの保有資産は、かつて265億ドルとされたが、現在は400万ドルにまで減少した。
(forbes.com 原文)