2. 別れの歌は、過去の関係を吹っ切るのを難しくすることがある
つらい破局を乗り越えるために失恋ソングに頼りすぎると、かつてのパートナーとの別離に絶えず囚われているような気分になる恐れがある。米科学誌『PLOS ONE(プロスワン)』に掲載された研究では、悲しい歌を聴いたときに最も呼び起こされやすい感情は、必ずしも悲しみではなく、ノスタルジーであることが判明した。元恋人との幸せな時間の思い出に浸るのは慰めになるかもしれないが、いつまでもくよくよと過去を引きずっていると、立ち直ることができず、将来新しい恋愛関係を築く妨げになってしまうかもしれない。
悲しい歌は、昔の関係を見つめ直し、良い思い出を大切にし、不幸な思い出を検証するのに役立つことから、破局直後の気持ちに折り合いをつけるのには適している。しかし、自分や元恋人にはもっと他にやりようがあったのではないかと思いめぐらしていると、思い出を懐かしむ無邪気な旅があっという間に責任追及行為になってしまいかねないため、研究者は警鐘を鳴らしている。
結論
メンタルヘルスについてオープンに議論することは、ポップカルチャーや日常的な話し言葉において今や当たり前となっており、現状に対する歓迎すべき変化といえる。しかし、これは時として悲しみを美化した描写につながり得る。失恋による深刻な苦悩にさいなまれているときは、専門家に助けを求めることが肝要だ。(forbes.com 原文)