「スーパースターじゃないから伸びしろがある」
プロ野球監督 野村克也日本野球界にデータの重要性を説いた名将。現役時代は偉大な選手だったが、自身は“普通の選手”の育成に生きがいを感じていた。「財を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」との言葉通り、教え子には高津臣吾や新庄剛志ら数多くの名選手・名指導者がいる。
「不労所得を生業にする不動産賃貸業は、社会の寄生虫ではないか」
森ビル元会長 森 稔父から引き継いだ森ビルを、一介の貸しビル業者から本格的な都市開発を行うデベロッパーへと変貌させた森稔。若き日の森はこの言葉のように家業にわだかまりを抱えていたが、ル・コルビュジエが1930年に発表した「輝く都市」構想に衝撃を受け、戦後の東京再生に奮起する。
「感性が足りない」
セゾングループ創業者 堤 清二1980年代、文化、カルチャーの世界を席巻したのは西武百貨店を中心にした“セゾン文化”、つまり堤清二がつくり出したものだった。文化が企業を変えていくという信念のもと、繰り出される言葉の数々。詩人でもある複雑な経営者の指摘に、部下たちは真意を測りかね、苦悩した。
「人間の宝はカネではなくて、事業なんだ」
阪急阪神東宝グループ創業者 小林一三鉄道敷設、沿線宅地開発、付加価値を高めるために娯楽施設も創設。拠点駅には百貨店を開設し、さらに人を呼び込む。世界に類を見ないビジネスモデルを一代でつくり上げた稀代の実業家は、事あるごとにこう口にしたという。「損得勘定ばかりするような人間は、成功なんかしない」。