日本のレジェンドたちが残した「金言」

阪急阪神東宝グループ創業者 小林一三

優れた経営者は、多くの金言名句を時代に残している。日本経済をけん引してきた大物財界人の寸鉄を、本誌連載中の「私が尊敬するカリスマ経営者」からよりすぐってお届けしよう。

「ハワイの天気はどうなんだ」

ダイエー創業者 中内功


安売りという概念を初めて流通の世界にもち込んだ中内。ダイエーは1972年に米ハワイにも進出。出店地域の天気を朝一番に確認することが日課だった中内は、日本で会食していても、ハワイに朝が来れば秘書に天気を確認させた。天候によって客のニーズが変わり、売れる商品に差が出るからだ。

「獄中では人間の修練が問われ、修養が問われる」

東急グループ創始者 五島慶太


積極的なM&Aで事業を拡大し、東急グループの礎を築いた昭和の鉄道王。だがその絶頂期、贈収賄の嫌疑で拘置所生活を余儀なくされた。いわく、獄中では「信念と意志が無い者はダメになる」。この言葉に象徴される信念と意志が、人間・五島を支え、実業家・五島を誕生させた。

「嫌なこと、大変なことはすべて盛田さんが引き受けてくれた」

ソニー共同創業者 井深 大


盛田昭夫と共に「世界のソニー」を育て上げた井深。84歳で文化勲章を授与された際は、盛田の介添えで記者会見に臨んだ。その席で井深はまず、盛田をたたえた。「自分は開発など好き放題やらせてもらった」。技術者・井深の探究心は、それを支える相棒がいたからこそ実を結んだ。

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text by Hiroshi Kodama|illustration by Filip Peraic, Luke Waller (Keita Goto, Seiji Tsutsumi), Paul Ryding (Katsuya Nomura)

この記事は 「Forbes JAPAN 特集◎私を覚醒させる言葉」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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