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2023.04.07

そのリスキリング商材、本当に大丈夫? 増加する副業詐欺の手口とは

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副業詐欺や投資詐欺といった詐欺が増加しているのをご存知だろうか? 甘いささやき広告に乗せられて、消費者金融の利用を促し、その結果、多額な借金に陥ってしまうケースが、いま急増している。それを受けて多重債務相談で日本最大手の「司法書士法人 杉山事務所」杉山一穂代表が警告を促している。

なぜ今、詐欺が増えているのか? その手口とは? そして、理解不能なノウハウを羅列した釣り広告に乗せられた結果、騙されないようにする為には?


多重債務相談で、東京、大阪、名古屋、福岡、広島、岡山、仙台、札幌に事務所を構え、日本全国からの相談を受ける「司法書士法人 杉山事務所」の杉山一穂代表は、「週刊ダイヤモンド」の「消費者金融が最も恐れる司法書士ランキング」で1位に選ばれた敏腕司法書士。

債務整理相談に於いて、全国最大手である同事務所の相談割合の統計では、直近1年で約10%近くが「詐欺・消費者被害」に関する案件と増加の一途を辿っているという。これは、令和元年12月の7%に対して、昨年の令和4年12月には、9%と、じわじわと増え続けていき、今後も増えていくと予想される。

そこで、杉山代表と同事務所・東京事務所代表の小林拓矢に、詐欺に関するリアルな状況について伺った。

──ここ5年の間で副業詐欺が増えている背景をお聞かせいただけますか?

杉山一穂(以下、杉山):当事務所は、17年前から主に過払い金の回収を行っていたのですが、2018年の副業解禁に伴って、ここ5年の間で副業詐欺に関するご相談が増加してきました。国が資産形成を促している「老後2000万円問題」や、副業を許容する企業が増えてきたこと。

さらに、コロナ禍で「巣篭もり傾向のライフスタイル」に伴って、「生活費が足りない」「労力を使わずに収入を得たい」という気持ちが生まれたのが要因にあるかと思います。それらを巧みに利用した犯罪が、副業詐欺や投資詐欺に繋がっていき、この5年間で急速に増えていったとみています。
司法書士法人 杉山事務所 杉山一穂代表

司法書士法人 杉山事務所 杉山一穂代表

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文=中村麻美

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