──万一、被害に遭ってしまった場合。相談から解決までの流れを教えていただけますか?
小林:まず最初に、ご相談者からは、聴き取りをさせていただきます。日付や内容など、覚えていらっしゃる事実関係を詳しく伺います。そして、この時、最も大切なのが「スピード感」です。詐欺会社と、いつ突然連絡が取れなくなってしまうか分からないので、例え回収率が低くなってしまうとしても、一刻も早く交渉に入ります。通常2〜3カ月以内に回収し、債務整理の元手に充てるという流れです。
杉山:回収率の平均は50%弱ですが、ケースによって回収可能性や回収率は大きく異なります。名前だけの代表者を立てて、その名義も頻繁に変えるような業者は、連絡がつかず回収自体が不可能なケースがほとんど。一方で、テナントを借りている法人組織だと、返金に応じる可能性が高いです。電子マネーや暗号資産で支払わされた場合は、追跡が難しいのが実情です。
当事務所は、成功報酬のシステムなので、ご相談者から着手金はいただかず、回収出来た場合のみ、回収金額の35%をいただいています。なので、手間がかかったが収益化ゼロという案件も半分近くあり。ご相談者は、詐欺に遭ったうえに着手金もかかってしまうという、ダブルでお金に困る事がないよう、着手金で収益化するのでない考え方が基本にあります。
詐欺に遭わない7箇条と、楽して儲かる話は疑え
ここで、詐欺や消費者金融被害に遭わない行動を7箇条にまとめて整理してみよう。1. マッチングアプリは、要注意→パートナーでなくカモを探している詐欺者がいるので、SNSでDMや友達申請が届いた場合は、慎重に行動する。
2. 「すぐに簡単にお金が入る」という謳い文句には要注意→誰でも簡単にお金を稼げるものではないが、誰でも簡単にお金を失うもの。だからこそ、甘いささやきには、疑う一考を。
3. 契約前に徹底的にリサーチする→ネット検索で、充分に調べてみて少しでも怪しかったら、すぐにストップする。
4. 信じられない事が起こったら信じるな!→指定口座に送金したら増えて返ってきたり、教えられた競馬の馬券が的中した、などの信じられない出来事には、裏がある場合あり。自分が知らぬうちに振込詐欺の受け子を担がされている可能性も。
5. 「海外サイトなので日本の法律が適用されない」などの説明が出てきたら鵜呑みにしてはいけない→海外のオンライン・カジノを日本から利用すれば犯罪になることを知らない人をターゲットにした詐欺が行われる事もある。
6. 消費者金融の借入を勧められたら、即アウト!→画面共有ソフトを使って、借入申し込みをサポートする業者もあり、偽の申請により借入させられる事で、消費者金融に対して詐欺を働く結果になる件も。また、同日に複数社に申し込みをさせて、本来借入が出来る金額以上を借入れてしまう事にもなってしまう。
7. 個人名義口座への振込や暗号資産での支払いを求められたら断固ストップ!→これらは、足がつかない決算手段なので、詐欺被害に合った場合に回収が難しい。