Amazonで買った電動歯ブラシが使いやすいので、SNSで紹介してアフィリエイト(アソシエイト)のリンクを貼った
この投稿には広告表示は不要。運用基準には「アフィリエイターの表示であっても、事業者と当該アフィリエイターとの間で当該表示に係る情報のやり取りが直接又は間接的に一切行われていないなど、アフィリエイトプログラムを利用した広告主による広告とは認められない実態にある表示を行う場合」は事業者の表示(広告)にならないとある。ただしこちらも、電動歯ブラシのメーカーからSNSへの投稿が依頼された、または購入時にレビューへ高評価をつけるなどの内容を含めて書き込みを条件に割引券やポイントバックがあるといったケースは、広告とみなされる。
今回の運用基準では投稿に事業者が関係していない場合、アフィリエイト(アソシエイト)のリンクを貼った投稿に広告表記は不要
スマートフォンの新製品発表会に参加したら、お土産にマグカップをもらった
この発表会についての投稿には広告表示は不要。「事業者が表示内容を決定できる程度の関係性にない第三者に対して表示を行わせることを目的としていない商品又は役務の提供(例えば、単なるプレゼント)をした結果、当該第三者が自主的な意思に基づく内容として表示を行う場合」は事業者の表示(広告)にならないとある。YouTubeでの動画投稿を条件に無料でホテルに宿泊した
この動画投稿については、広告表示の判断が難しいところ。宿泊代という対価が支払われているため、広告表示は必要という解釈ができる。一方「事業者が第三者に対して自らの商品又は役務を無償で提供し、SNS等を通じた表示を行うことを依頼するものの、当該第三者が自主的な意思に基づく内容として表示を行う場合」は事業者の表示(広告)にならないとも運用基準にある。さらに「『事業者と第三者との間に事業者が第三者の表示内容を決定できる程度の関係性があるか否か』の判断に当たっては、表示の対象となった商品又は役務の特性等(例えば、特定の季節のみに販売数量が増える商品であるか)の事情を考慮する」ともある。そのため期間限定セールに関連した宿泊レポートなどは事業者の表示(広告)と判断される可能性もある。前述のように「実態を踏まえて総合的に判断」ということになりそうだ。
このようにケースバイケースで対応が変わってくるので、直接的な罰則はないとはいえ、インフルエンサーやYouTuberは一度運用基準をチェックしておいたほうがよさそう。またSNSや動画投稿サイトによっては独自の広告表記ルールが規定されているケースもある。今回の消費者庁の運用基準では広告表示が不要でも、SNSや動画投稿サイトの規約では必要という場合もあるので、利用しているサービスの利用規約も確認は必須といえる。
また今回の運用基準では、事業者の従業員に関しても運用基準が規定されている。今回の運用基準では、販促担当者やエバンジェリストといった役職の場合、業務としての投稿は広告とみなされる。ただし企業アカウントからの投稿は広告表記が不要など、こちらも細かな規定がある。企業でこのような担当をしている人も目を通しておいたほうが良さそうだ。