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2022.06.02

米FTCが「ステマ追放」へ、偽の肯定的レビューの禁止を検討

Getty Images

米連邦取引委員会(FTC)は、「偽の肯定的レビュー」や誤解を招くマーケティングを取り締まるガイドラインの厳格化を検討している。

FTC は、公正なマーケティング活動を促進するための指針の「エンドースメント・ガイド」を定め、広告主がレビューやインフルエンサーを介して消費者を欺く行為が、法に違反する可能性があると警告している。しかし、この指針は2009年以降に更新されておらず、SNSやプロダクトのレビューの広告利用が増加している状況に対応できていない。

FTCの消費者保護局のサミュエル・レヴィン局長は、「私たちは、偽のレビューやその他の誤解を招くマーケティングを取り締まるためにエンドースメント・ガイドを更新し、子供を標的とするステルスマーケティングを行う業者に警告を行う」と述べている。

「偽のレビューであれ、対価を得て宣伝を行うインフルエンサーであれ、この種の詐欺は、人々がクオリティの低い製品やサービスにより多くのお金を払うことにつながり、正当な競争を阻害する」と彼は指摘した。

FTCは、SNS企業がインフルエンサーに提供するツールの一部に欠陥があり、彼らが責任を問われる可能性があると警告している。

新たなガイドラインでFTCは、偽のレビューが害を及ぼすことを明確にし、広告主は消費者に誤った印象を与えたり、欠陥を隠したりすべきではないという新たな原則を追加しようとしている。この動きは、ファッションEコマースサイトのFashion Novaが、低評価のレビューを削除していたことが判明し、その結果420万ドルの罰金を科されたことなどを受けてのものだ。

FTCによると、SNSの投稿に含まれるタグも、取り締まりの対象になるという。さらに、特定の消費者を広告の対象とするマイクロターゲティングの監視を強化し、子どもをターゲットとする広告は、特に慎重な監視を行うとFTCは述べている。

FTCは昨年、偽のレビューなどを通じて誤解を招くマーケティングを行う1000以上の企業に警告を行ったという。しかし、米国のこの分野の規制は、他の多くの国よりもはるかに遅れているのが現実だ。例えば英国の競争市場庁(CMA)は先日、対価を支払って偽のレビューを依頼した企業に金銭的な罰則を科す規則を導入すると発表した。

編集=上田裕資

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