また明確な投稿の約束がなかった場合でも「事業者が第三者の表示に対して提供する対価の内容、その主な提供理由(例えば、宣伝する目的であるかどうか)」によって、広告とみなされる場合がある。
ちなみに対価については「金銭又は物品に限らず、その他の経済上の利益(例えば、イベント招待等のきょう応)など、対価性を有する一切のものが含まれる」と規定されているので、広告費や制作費が出ているだけでなく、商品やサービスの現物支給も対象だ。
ただしこのあたりは「事業者と第三者との間の具体的なやり取りの態様や内容」や「事業者と第三者の関係性の状況」とあわせて、実態を踏まえて総合的に判断していくとしている。そのため、必ずしも「もらったからステマだ!」とはならない。
事業者の表示としてみなされるのは「事業者が第三者に対してSNSを通じた表示を行うことを依頼しつつ、自らの商品又は役務について表示してもらうことを目的に、当該商品又は役務を無償で提供し、その提供を受けた当該第三者が当該事業者の方針や内容に沿った表示を行うなど、客観的な状況に基づき、当該表示内容が当該第三者の自主的な意思によるものとは認められない場合」とされているので、やはり「事業者が第三者の表示内容の決定に関与しているか」どうかが重要となってくる。
運用基準にあわせてオンライン記者会見を行った河野太郎大臣(https://youtu.be/rSVtD00AzL8)
その他かなり細かく運用基準が設定されているので、想定されるケースをピックアップしてチェックしてみた。
スーパーの試食が美味しかったのでSNSに投稿した
この投稿には広告表示は不要。運用基準には「事業者が不特定の第三者に対して試供品等の配布を行った結果、当該不特定の第三者が自主的な意思に基づく内容として表示を行う場合」は事業者の表示(広告)にならないとある。ただしSNSなどの投稿を条件に配布されている場合は、広告表示が必要となりそうだ。そのあたりは、実態を踏まえた総合的判断となる。