iPad1人1台をいち早く導入、中高一貫で使った東京成徳中高。その成果は?

iPadを6年間使った生徒が今年高校卒業する東京成徳中高

iPadなどのデジタルデバイスが日本の学校に導入されて以来、数多くの実例を取材してきた。小中学生から高校生、そしてプログラミング教育など、いずれもすばらしい成果を上げているように見えた。

では、その行き着く先はどこなのだろう? iPadであさがおの観察日記を付けたり、行ってみたい外国に関してプレゼン動画を作ったり、Swift Playgroundでプログラミングを学ぶのは非常に興味深い。では、その結果、どういう子どもが育つのだろう? また、日本の学校社会においては、iPadを活用するより受験対策をするべきなのではないだろうか? 親であれば、ICT教育に関して、そんな疑問を持つに違いない。

今回は、そんな疑問に対する1つの回答を得ることができた。筆者は、この学校で行われていた教育こそ、今の日本の中学校、高校での教育に関する1つの答えではないかと思った。

東京成徳大学中学・高等学校(以下、東京成徳中高)は、東京成徳大学附属の中高一貫校だ。東京成徳は約100年の歴史を持つ私立の学校で、中高一貫部の創立は約25年前。生徒数は約600人なので、一学年約100人。早くから2017年から1人1台のiPad導入を行っており、この春卒業する学年は、中学1年生の時から6年間にわたって『1人1台iPad』を経験した最初の学年となる。

iPadは全学年共通で、各個人が購入する。Macの購入は自由だが、高校では約2割の生徒が持っていて活用しているというiPadは全学年共通で、各個人が購入する。Macの購入は自由だが、高校では約2割の生徒が持っていて活用しているという

ちなみに、iPadを利用した探究学習の時間は週約10時間。同校は先進的なアップルデバイス活用を行っている学校に与えられる『Apple Distinguished School』に選ばれており、同英語科教員であり、ICT活用推進部長の和田一将先生は「Apple Distinguished Educator」だ。

リニューアルされたPC教室。MacBook Proの導入で自由に学べる教室となったリニューアルされたPC教室。MacBook Proの導入で自由に学べる教室となった

取材は同校のリニューアルされたラーニングコモンズで行われた。生徒達が自由に机を動かして学習できるようになっており、さらに動画編集などをストレスなく行えるようM1 Pro搭載の14インチMacBook Proを40台導入している。

また、壁全体がスクリーンとなるプロジェクターも用意され、データの共有時に大画面で見られるようにしている。
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編集=安井克至

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