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2023.03.27

マイクロソフト、AIで医師の大きな文章作成の負担解決を目指す

医療記録の口述筆記(Getty Images)

医師が直面するさまざまな課題の中で、最も面倒なものの1つが臨床文書(clinical documentation)の作成だ。Journal of Graduate Medical Education(JGME)が発表した調査では、その対象となった医師の約92%が「作成しなければならない文書が多い」と回答し、73%が「臨床文書作成の負担が患者ケアに悪影響を及ぼすことが多い」と回答していることが判明している。

詳細な臨床文書を求めるそもそもの動機は、究極的には優れた臨床記録を確保したいからだ。理想的な世界では、包括的な患者カルテによって、あらゆる医療提供者が患者の全病歴と治療歴を見ることができるようになる。さらに、医療システムも、臨床文書が重要な管理的役割を果たすように構築されてきている。医療機関では、患者のカルテの中に、提供したサービスを記録し請求を行っている。また、臨床文書は、患者の過去の治療記録としても機能し、医療訴訟の増加の中で特に重要となっている。

しかし、多くの医療提供者にとって、臨床文書の作成は、仕事の中でも最も困難なものの1つだ。実際、患者自身と直接向き合う時間よりも、患者の訪問を記録することにはるかに多くの時間が費やされていることが報告されている。

これは、テクノロジー企業が注目する重要な課題だ、そして現在、Micdrosoft(マイクロソフト)がこの課題にダイナミックな解決法で取り組んでいる。マイクロソフト傘下のNuance Communications(ニュアンス・コミュニケーションズ)は、ヘルスケア業界で最も人気のある音声認識メモツールの1つDragon(ドラゴン)を開発したリーダー企業だ。ドラゴンの製品は「タイピングの3倍の速さと最大99%の精度を誇る音声認識」に加え、デバイスやシステム間で簡単に同期できる柔軟な使い勝手を誇り、クラス最高の製品としてすでによく知られている。

マイクロソフトは、AIやChatGPT(チャットジーピーティー)との連携を活かして、このドラゴンを次のレベルに引き上げたいと考えている。先のプレスリリースで、ニュアンスは「Dragon Ambient eXperience (DAX)Express[ドラゴン・アンビエント・エクスペリエンス・エクスプレス]は、ワークフローが統合された完全に自動化された臨床文書作成アプリケーションです。実績のある会話AIと音声認識AIを、OpenAI(オープンエーアイ)の最新かつ最も有能なモデルであるGPT-4と組み合わせ、管理上の負担を軽減し、臨床医がより多くの時間を患者のケアに費やし、事務処理に費やす時間を短縮できるようにします」と発表し、AI駆動のイノベーションを増やすことへのコミットメントを表明した。
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翻訳=酒匂寛

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