2023.03.26 12:00

スポーツカー好きのパパにピッタリな、高性能ワゴン「ボルボV60」

このポールスター・エンジニアードのベースとなるのは、V60の「T8」。300ps超の2リッター4気筒直噴ターボの前後軸にモーターを配するPHEVという構成を採用しながら、パワーアップを図っている。ところが、先代のモデルと比べて、このポールスター・エンジニアードは、ベースモデルと同じ317psながら、モーターの出力を大幅に向上させたところが新しく、システム総合出力はなんと462psに達する。とにかく速い。必要以上に速い。やはりモーターがついているので、ターボラグを感じない。非常に印象的なのは、その加速の質だ。かなり低中回転寄りに厚いことで、体感的には5リッター級のV8エンジンのトルク感のようだ。

一方で、高回転域の伸び感はさすがにドイツのライバルには及ばないが、にも関わらず、素晴らしい加速だ。駆動の制御はエンジンとモーターの協調域でも違和感はなく、とても素早くフラットなコーナリングができる。ステアリングも手応えがあって、高速コーナリングでもアンダーステアが出ない。



ちなみに搭載するリチウムイオンバッテリーは18.8kWhとPHEVのなかでも大容量を確保しており、EV走行距離は91km。ちなみに、充電は200Vの普通充電のみとなっているので、ホームチャージャーが必要かな。バッテリーのフル充電では、60kmほどのEV走行ができるし、充電状況次第では日常的な走行は100%カバーできる。走行中にエンジンを稼働させてバッテリーの充電をするチャージモードも備わっており、安心してEV走行ができる。

2050kgという重い車重と、スーパーカー並みのパワーに対して、ブレーキはフロント側にブレンボ製6ピストンモノブロックと大径のローターを採用している。今回の試乗では、まだ19インチのスタッドレス・タイヤを履いていたので、急ブレーキした時に、タイヤからじわっとという感触はあったものの、ブレーキの制動力は限りなく良い。まるで日産GT-R並みのブレーキだ。ただ、やはりオーリンズ製の調整可能なダンパーを採用しているので、街並みでは多少固く、リアから少しビビり振動を感じる時もあるけど、高速走行ではその安定性と直進性は抜群。ボンネットを開け、調整ダイヤルを手動で回せば、22段階の減衰力調整が可能。試みに一番柔らかい設定にしてみたけど、それでも固い感じがした。



ボルボV60ポールスター・エンジニアードは、電動化をパフォーマンスの考え方で活用した素晴らしい例だ。エンジンが2.0リッターのターボPHEVであることを考えると、そのパフォーマンス数値(0-100km/hが5秒以下)はかなり印象的だ。V60はすでに実用性の高いクルマだけど、ハイブリッド・パワートレインは、最大限のパフォーマンスと最大限の経済性を可能にすることで、これをさらに強化する。ちなみに150台の限定枠は、3月中旬時点で残数40台くらいとなっているそうなので、スポーツカー好きのパパ、お早めに!

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

ForbesBrandVoice

人気記事