ビジネス

2023.03.26 10:00

「ネガティブな人事評価は対面で」は間違い 最善の方法とは

池田美樹
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通達を動画メッセージだけで済ませようとしていると勘違いされないように、後で直接話し合いをする予定であることをはっきりさせておこう。客観的かつプロフェッショナルな姿勢を保つ必要はあるが、冷たいとか、思いやりがないと思われることは避けたい。

これが少し変わったやり方であることを認めた上で、まずは自分の中で情報をのみ込む時間を持てるようにこの方法を選んだと伝えよう。

部下には、対面での面談の準備として以下の3つを準備してもらおう。

1.意見や質問
2.具体的な解決策や測定可能な目標
3.フォローアップの計画

人事評価の目的は、相手に恥をかかせるためでもコンプライアンスのためでもなく、「改善」だ。従業員と会社は、互いの利益になるような形で共生できる関係を築き、前に進む必要がある。

従業員の会社への貢献が期待に沿わないものである場合、最も安上がりで効率的な対策は、その人の改善を促し、給与に見合う価値を提供できるよう支援することだ。その際には、相手の恥ではなく、やる気に訴えることで最も大きな効果が期待できる。非同期のコミュニケーション方法を取ることで、部下は自己改善を行う動機を得られるかもしれない。

従業員が一番望んでいるのは、自分に求められる役割と期待がはっきりすることだ。だが年に1度きりの人事評価は不安の種となり、従業員に不意打ちを与える恐れがある。フィードバックの伝え方を変えれば、人事評価は会社と従業員が安心して互いの立場を確認できる機会となる可能性がある。

伝え方を変える以外にも、評価の頻度を増やしたり、評価を賞与の額と切り離したりするのも効果的だ。人事評価を通じて、定期的かつ客観的にこちらの期待値を伝え、共通認識をつくろう。そうすれば、人事評価は人間味のあるプロセスになり、相乗効果が生まれ、従業員の効率性が高まり、よりポジティブな職場文化をつくることができる。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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