国内

2023.03.24

宇宙で地産地消を目指す、ユーグレナが宇宙食3.0ラーメンを開発へ

プレスリリースより

微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)やクロレラを大量培養してサステナブルな食品を開発販売するユーグレナは、宇宙での長期滞在に備えた「宇宙食3.0」に該当するインスタントラーメンの開発に乗り出しました。現在、その試作品を開発するためのクラウドファンディングを実施しています。返礼品として、これまでに開発されたカップラーメンの試作品がもらえます。

今の宇宙食は、地上で調理したものを宇宙に運んで食べる「宇宙食1.0」と呼ばれています。地球から食材を持って行き宇宙で調理して食べるのが「宇宙食2.0」、さらに宇宙で食材を育てるところから始めるのが「宇宙食3.0」、つまり宇宙の地産地消です。限られた資源を閉鎖空間で消費するのですから、当然、サステナブルでなければならず、しかも栄養バランスも高いレベルで保たれなければなりません。さらに、食事は過酷な宇宙空間で英気を養う大切な機会になると思うと、おいしくなければ困ります。

そこでユーグレナは、日本人のソウルフードともいえるラーメンに着目しました。そして、ニュータッチシリーズを製造するヤマダイに協力を仰ぎ、1年半をかけて、宇宙食3.0を想定したサステナブルで栄養豊富なインスタントラーメンのための次の4つの食材を特定しました。

スープは「オーランチオキトリウム」。宇宙での培養の研究も進められている、細胞重量の20パーセント近くが必須脂肪酸のDHAという微小藻類です。しっかり魚介系の出汁が取れます。

麺は「カムット小麦」。肥料や農薬がなくても育つ生命力の強い小麦の一種で、粒が通常の小麦の2倍あり、ビタミン、ミネラル、タンパク質を豊富に含みます。

チャーシューは「NEXTユーグレナ焼肉EX」。ネクストミーツが製造している代替肉にユーグレナを加えて乾燥させた特製品です。本物の肉の風味を完全植物性肉で再現しています。

野菜は「ウチワサボテン」。緑黄色野菜と果物の両方の栄養素を含んだスーパーフードとして注目されている、暑さや乾燥に強いサボテンです。

全体の味付けは、スープを飲み干せるように塩分控えめにしてあります。

ユーグレナはこの食材から作られたラーメンを、月面基地の人口が2000人を超えると予想される2040年代にちなみ、「2040年サステナブルラーメン」と名付けました。今回のプロジェクトを通じて多くの意見を集め、研究開発を進めたいということです。GoodMorningで実施されているこのクラウドファンディングはAII-In方式なので、寄付が目標に達しなくても返礼のラーメンはもらえることになっています。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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