ファッション

2023.03.16 13:30

走り出した「ランニングシューズのサブスク」 On創業者に聞く成長の手応え

Onの創業者兼共同最高経営責任者キャスパー・コペッティ氏

日本発の「ファンによるコミュニティ」を世界に広げたい

Onはプロのアスリートだけでなく、日々の生活の中で趣味としてランニングやトレーニングを楽しむ多くのアマチュアのファンにも支えられている。
advertisement

日本国内ではOnのフラグシップストア「On Tokyo」や、全国のOnを取り扱うシューズショップで自然発生的にコミュニティが作られた。Onのシューズを履いて仲間と一緒にジョギングを楽しむコミュニティのメンバーから新しい製品やサービスに対するフィードバックを募り、次の開発にファンの声を反映させる好循環も生まれた。

3月上旬に開催された東京マラソン2023の併催イベント「東京マラソンEXPO 2023」に出展したことにより大きな収穫も得たようだ。コペッティ氏は特にファンコミュニティについては日本発の取り組みとして、Onが商品とサービスを展開する世界の各地域にも広げたいとコペッティ氏は展望を語った。

スピード感を持ちながら成長を追い求める

Onがブランドとして成功できたもう1つ要因として、コペッティ氏はランニングやテニスを中心とするシューズとアパレルなど、「集中と選択」を上手にコントロールしながら、堅実にビジネスの領域を拡大できたことを挙げる。

創業から13年を迎えたOn。現在はアパレルの商品も充実している創業から13年を迎えたOn。現在はアパレルの商品も充実している。原宿のフラグシップストア「On Tokyo」

今後もOnが得意とする領域を深めながら、シューズのサブスクリプションサービス「Cyclon」のようなイノベーティブな取り組みに全力を投じるという。また「スピード感」のある決定が、今後も継続的な成長を遂げるために大切とコペッティ氏は加えた。
advertisement

「創立当初はシューズのプロトタイピングに約4〜5カ月をかけていました。現在は20名を超える開発チームが、ある商品のアイデアを元に6〜7週間の短いサイクルでハイパフォーマンスなシューズにまで落とし込める好循環を確立しています」

これから来年に向けて大きなスポーツのイベントが次々に開催を控える。これからもブランドの勢いを大切にしながら、他社のスピード感を超えて良いものをファンに届けたいとコペッティ氏は目を輝かせた。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
過去記事はこちら>>

編集=安井克至、写真=落合明人

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事