起業家や元編集者、舞台役者など多様な講師が揃う
──他に卒業後も役立っているのはどんな授業ですか?コミュニケーション、プレゼンテーション、ライティングなどの授業が役立っています。
例えば、「Strategic Communication」という授業。当時コロナ禍だったこともあり、オンライン会議で良い印象を相手に与えるには、顔を画面のどの位置に置くべきかというところまでこだわって教わったのが印象的でした。
「Managing Difficult Conversations」という授業では、実際の仕事で直面しそうな難しい状況に関するケースをもとにロールプレイをしながら対処法を学びました。例えば、起業家とVCの役になりきって出資について交渉の会話をしたり、スタートアップのCEOとして部下を解雇するようなシーンなどです。卒業後、ロールプレイに出てきたシーンに近い状況に直面した、という話もクラスメイトからよく聞きます。
他にも「Winning Writing」というライティングの授業では、ニューヨークタイムズの元編集者のもと、書くことで人を説得したり動かす技法を学びました。また舞台役者が講師の「Acting with Power」というクラスでは、言葉の速さや表情、トーンによって相手に与える印象が変わることを知り、社会を動かす影響力があるリーダーになるための立ち振る舞いを学びました。
生涯助け合う、スタンフォードネットワーク
卒業後も感じるのは、スタンフォードの「ネットワーク」の偉大さです。在学中も卒後も、悩み事があればすぐに誰かが学内外のネットワークを紹介してくれたりアドバイスをくれたりします。私がVCとしてのキャリアを始めるにあたっても、臨床医からVCになった先輩に何度も相談に乗ってもらいました。ヘルスケア分野の投資家や起業家と繋がっていく過程でも、卒業生の方がイベントに声をかけてくれたり新しい人を紹介してくれたり、大いに助けてもらいました。
──スタンフォード卒業生には具体的にどのようなネットワークがありますか。
例えば身近なところでは同級生のチャットグループ。日々お互いのキャリア相談が飛び交っていて、個人企画の卒業生同士の気軽なネットワーキングイベントも頻繁に行われています。
業界ごとのイベントも多いです。例えばヘルスケア業界で有名な、毎年1月に開催されるJPモルガン主催のカンファレンスでは、スタンフォードMBA卒業生だけのハッピーアワーが開催されます。ヘルスケア業界で活躍する卒業生と縦横の繋がりを作ることが可能で、このような場でもベンチャーエコシステムが強化されていると感じます。
このように、さまざまな業界で活躍する卒業生と生涯繋がって助け合えるのは、本当に心強いです。