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2023.03.08 08:30

AIの進化で「子育て」が変わる! 4児の母、ヨーキー松岡が描く未来図

車での送迎が、その例だ。家では4人の子どもを起こし、朝食をとり、弁当を作って出かけるまでバタバタしてしまう。子どもを学校に送り届ける車内だったら、ゆっくり話し、一人ひとりの状況をうかがい知ることができる大切な時間だと気づいたのだ。
 
ベビーシッターとの関係性のなかで変化もあった。子どもが学校に行き始めると「パーソナルアシスタント」のようにドライクリーニングや郵便物の郵送などちょっとした「おつかい」を頼むこともあった。日本では家庭でベビーシッターを雇う事例は少ないが、家事代行や掃除代行なども含め、スポット利用できるサービスも充実してきている。夫婦ともに忙しく働き、育児をする家庭も増えているなか、ヨーキーはこう考える。
 
「他の人に頼むのは悪いことだという考えを変えていかないと、無理な世界をつくってしまう」

「Yohana」に込めた、次世代家族のあり方

ヨーキーがこれまでのキャリア経験や子育ての気づきを注ぎ込んだのが、次世代ファミリーコンシェルジュサービスの「Yohana」だ。月額18000円で、会員は食事や家のメンテナンス、掃除や整理収納など暮らしにまつわるサポートを気軽に相談することができる。

自分の「理想の暮らし」を実現するために長期的にサポートする専属のガイドや、リクエストを解決するために対応するスペシャリストなど、サービスの裏側では「人」が支えている。
 
現時点では神奈川県と東京都で展開している。人気なTo-doを挙げると「一週間分の献立を考え、ネットスーパーで必要な食材をかごに入れておく」や、家事・掃除代行のほか、家電・家具の修繕やベビーシッターの手配などもある。
Yohanaのサービスイメージ

Yohanaの「To-doリスト」


同社の首都圏の30〜40代子育て共働き家庭を対象にした調査によると、71.8%が「同居する家族以外で家のことを気軽に頼れる相手がいない」のが首都圏に暮らす家族の現状だという。
 
ヨーキーは「家族が近くにいる場合でも、親に頼りたくなかったり、これを頼むのは悪いなと思ったりすることってありますよね。興味深いことに忙しい家族にインタビューすると、日米の差はほぼないんです。

みなさんちょっと心細かったり、辛いことがわかってもらえない。支えてくれる人がいるだけで、安心感をもてる。次世代の子育て家庭をサポートするのが、Yohanaだと考えています」と語る。
 
もちろん日本特有の事情も多くある。例えば塾や習い事の情報や、子育てにおいてもよりきめ細やかな対応が求められる。子どもの誕生日会をする場合、アメリカならケーキを買うため候補を送ってほしいと言われるが、日本ではせっかくならケーキを作ってあげたいという要望もある。

「どこまでサポートしてもらい、どこからは自分でやると満足できるのか。国によっても人によってもさまざまなので、あらゆる要望に応えていきたいです」
 
Yohanaがパナソニックの子会社であることから、今後は家電製品などとの連携も視野に入れる。「実は、サービスを展開していく時にソフトウェア単体ではなくハードウェアが人の家に入っているということが大切なんですね。ライフステージによってニーズも変化します。

例えば、子どもが生まれたら生活は一変します。例えば産後に向けて食洗機を購入するだけじゃなく、家でご飯の準備がもっと楽になる提案をして、小さな子を育てていても自分のことができるように、Yohanaは準備を一緒にできるといいですね」
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文=督あかり 写真=小田駿一

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