米FDA、初のRSウイルスワクチンを2023年後半に承認の見込み

Photo by FatCamera(Getty Images)

この「ワクチン」は、Beyfortus(製品名はニルセビマブ)と呼ばれ、80%の確率で赤ちゃんを重症化から保護する。2022年11月に欧州委員会に承認され、FDAは2023年1月に生物製剤ライセンス申請を受理した。

SOBI(スウェディッシュ・オーファン・バイオビトラム、Swedish Orphan Biovitrum)のモノクローナル抗体接種「SYNAGIS(シナジス)」(ジェネリック名はパリビズマブ)も、サノフィとアストラゼネカによる薬剤と同様に、厳密にはワクチンではないが、高リスクの乳幼児をRSウイルス感染から保護するために使用される。

シナジスは、1998年にFDAに承認された。当時はアストラゼネカが製造していたが、ワクチンの特許は2019年、アストラゼネカからSOBIに移転した。乳幼児へのこの薬剤の接種が認められるのは、複数条件のうち、少なくとも1つに該当する場合のみだ。

60歳以上の高齢者向けワクチン

GlaxoSmithKline(グラクソスミスクライン、GSK)のワクチンの効果を検証するフェーズ3臨床試験の結果が『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された。これによると、GSKのワクチン接種は、60歳以上の成人における重症化リスクを94%減少させ、発症率を83%低下させた。

Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン)のワクチンは、フェーズ2臨床試験を終えている。『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された結果によれば、65歳以上の成人において80%のワクチン有効率を示した。

Moderna(モデルナ)の高齢者向けワクチンは、新型コロナワクチンと同様のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンだ。このワクチンの作用機序は、mRNAを利用して体細胞にRSウイルスの断片を生成するよう指示を与え、体に免疫反応を起こさせるというものだ。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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