モビリティ

2023.03.02 09:45

ドローンは安全に市街地で活用できるのか、生活圏への受け入れ体制を探る実証実験


ドローンとロボットを組み合わせたフードデリバリー実験は、自宅療養中の高齢者が対象となります。つくば市が推奨している遠隔医療アプリ「LEBER」で診察を受け、医師が薦めるお弁当をオンライン注文すると、市街地のスーパーからお弁当が届くというシナリオです。お弁当を提供するのは「フードスクエアカスミ牛久刈谷店」です。そこから約1.5キロメートル離れた配送対象地区の中心地にある宝陽台自治会館まで、ドローンがお弁当を空輸します。そこから先は、注文主の自宅まで配送ロボットが届けます。
プロドローン製「PD6B-Type3」

プロドローン製「PD6B-Type3」


使用されたドローンはプロドローン製の「PD6B-Type3」という大型機です。最大30キログラムの荷物を積んで、時速60キロメートルで飛行できます。配送ロボットは、川崎重工が開発したもので、今年4月の道路交通法の改正により、遠隔操作型小型車の区分で公道を自動走行できるようになる車両です。

この実験では、将来的に複数のドローンを同時に飛ばしてフードデリバリーが行われる状況を考慮し、往路と復路で同時に2機のドローンを飛ばして運行管理システムによる遠隔制御の実証が行われました。また、PCR検体輸送とお弁当の配達という、用途、飛行エリア、飛行ルート、機体が異なる複数の運行をひとつの運行管理システムで同時に制御することも試されました。

複数機のドローンと配送ロボットを同時に遠隔制御し、その安全性を検証することにあります。またKDDIは、配送ロボットと歩行者の共存のための適切な制度や規制作りのための提案につなげたいとも話しています。

これらの実験は3月27日まで続けられますが、「空の道」は3月31日まで、つくば公園通りにて体験できます。実際にはドローンは飛んでいませんが、アプリの中でARドローンが飛行します。SATCH Xを起動して、「開催中のイベント」で「スーパーシティつくば」を選択し、周囲の空間にスマートフォンをかざすと「体験型XRコンテンツ」として見られるとのことです。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事