「気球で行く宇宙遊覧」の気になる参加費。日本の宇宙ベンチャーが5名を募集中

OPEN UNIVERSE PROJECTより

気球による「誰もが行ける宇宙遊覧」の提供を計画している国産宇宙ベンチャー岩谷技研は、2023年度中の宇宙遊覧商用運行開始にともない、第一期搭乗者の募集を開始しました。同時に、岩谷技研のテクノロジーを軸として多様な業種と宇宙産業を開拓し、同社の理念である「宇宙の民主化」を実現する共創プロジェクト「OPEN UNIVERSE PROJECT」を立ち上げ、共創企業の募集を始めました。

岩谷技研は2016年の創業以来、一貫して宇宙遊覧用の高高度ガス気球の開発を続けてきました。この遊覧飛行では、パイロット1人のほかに2人の乗客を乗せて高度2万5000メートルまで上昇し、約1時間、成層圏を遊覧します。打ち上げから着水(海に降ります)までは4時間の予定です。

人は岩谷技研が開発したキャビン「T-10 Earther」に搭乗します。パイロット1人と乗客2人が搭乗できるカプセル型の「宇宙船」です。直径150センチメートルの大きな窓を備えていて、地球を見下ろすことができます。いくつもの高度な技術が投入されたこのキャビンは、成層圏というほぼ真空の厳しい環境を飛行しますが、機内の気圧変化は旅客機よりも小さく、揺れは新幹線よりも小さいと同社は話しています。

また岩谷技研は、アメリカの国家運輸安全委員会の調査データをもとに気球の安全性を強調しています。それによると、搭乗者が生還できない事故の発生確率は、気球は0.000008パーセント(小数点以下0が5つ)とのことです。警視庁の統計による自動車の0.00002パーセント(小数点以下0が4つ)よりもずっと低いことになります。

もちろん、何重にも安全対策が施されています。気球は降下時もガスの放出を抑えることで、つねに一定の浮力を保ちます。もしものときは気球がパラシュートに変形します。キャビンにもパラシュートが装備されています。さらに搭乗者にも緊急脱出用のパラシュートが備えられます。



宇宙遊覧搭乗者募集の概要

募集期間:2023年2月21日〜8月31日
募集人数:5名
応募資格:
 年齢:満15歳〜65歳
 身長:150〜190cm
 性別不問
費用:2400万円(税込)交通費、滞在費は自己負担
・応募者から30名程度を選出し、オンライン面接によって最終的に5名を選出します。
・11月20日から12月3日の間に開かれる合同オリエンテーションに参加し(会場は札幌を予定)、メディカルチェック、安全講習を受ける必要があります。
・打ち上げは2023年12月以降、順次行います。打ち上げ日は天候などを見ながら調整するため、現地に1週間ほど滞在して待つことになります。
申し込みはこちらから

岩谷技研では、遊覧気球のパイロットも募集しています。パイロット候補性は正社員として迎えられ、パイロット訓練をしながら、宇宙開発を主体とした業務にも携わることになります。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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