食&酒

2023.02.25

米国のチョコレートに高レベルのカドミウムと鉛見つかる

Photo by Joe Raedle/Getty Images

著名ブランドのダークチョコレートとミルクチョコレートから、毒性を持つ重金属であるカドミウムと鉛が、かなりの高レベルで見つかったとする2つの研究結果が、最近相次いで発表された。ただし複数の専門家は、適量の範囲内であれば、それでもチョコレートを安全に食することはできるとの見解を示している。

12月にコンシューマー・リポートに掲載された研究では、28種類のダークチョコレートについて、重金属の含有量を調査した。その結果、すべてのチョコレートでカドミウムと鉛が見つかった。どちらの金属についても、最も高いレベルを記録したのは、Trader Joe(トレーダー・ジョーズ)とHershey(ハーシー)の製品だった。

一方、株主の権利を推進する非営利団体「As You Sow(アズ・ユー・ソウ)」は、22種類のミルクチョコレートについて鉛とカドミウムのレベルを調査した報告書を発表した。こちらでは、2つの重金属のうちいずれかの含有レベルが他より高い製品が3つあることがわかった(うち2つはハーシーのチョコレートだった)。

カドミウムは非常に毒性が強いが、柔らかで加工しやすい金属でバッテリーやプラスチック、顔料などに使われている。また、タバコの煙からも見つかっているという(米労働安全衛生局の情報による)。

鉛は、地球の地殻に自然に存在する毒性を持つ元素で、土壌や水、大気に含まれているほか、家庭内でも見つかるケースがあると米環境保護局(EPA)では解説している。

どちらの重金属も、チョコレートの原材料であるカカオ豆に含まれている。だが、ダークチョコレートのほうがミルクチョコレートよりも重金属含有レベルが高くなる傾向がある。これは、ココアの使用割合が高いためだ。

重金属は、他の食物からも見つかっている。学術誌『ネイチャー』に掲載された研究では、一部の果物や野菜から、一定レベルのカドミウムと鉛が見つかった。例としては冷凍イチゴやラズベリー、生のビーツ、冷凍ニンジンやトマト、サツマイモやホウレンソウがある。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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