生きづらさを抱えた登場人物のなかには、小学生の息子を育てるシングルマザーもいる。同じ女性として、彼女のような存在を俳優はどう見ていたのだろうか。
「私自身は母親という立場を経験したことがないので、分かり得ないところもあります。でも、いかに、互いが歩み寄っていくか、互いを許し合って理解していくかが大事で。恋人でも友達でも家族でも、どんな関係でもそれは共通して言えることなんじゃないでしょうか。だから、自分が親になったときも、そんなふうに子供と、関わりを持てたらいいなと思います」
映画のなかには、美味しそうなお弁当がいくつも登場するが、彼女自身、「ごくたまに、気が向いたときだけなんですけど」と言いつつも、お弁当を作ることがあるという。
「お弁当には、前の晩のおかずの残りとか、朝、卵料理を作って詰めたりしてます。SDGsのことも考えます。食材を買うときも、ちょっと痛み始めたお野菜たちが、スーパーの隅のほうで売られていたりするんですけど。そういうところは必ずチェックして、『全然まだ食べられるじゃん』と思ったら、率先して購入しています」
そして話題はSDGsのことに。冒頭に紹介した「大きなテーマだと思う」というコメントを、彼女はここでも繰り返した。
「大きなテーマなんですが、個人的には、身近にできることに関心があります。たとえば、洗濯洗剤を環境にいいものに変えるとか、割り箸をなるべく使わないとか、タンブラーを持ち歩くようにするとか。本当に些細なことですけど、私個人は、そういったことを意識しています」
より、多くの人がSDGsについての関心を高めるには、どんな働きかけが必要だろうか。
「まず、学校の教育から取り入れていくべきだと思います。あとは、各企業が取り組むべき項目の一つにしたり。社会のルールとして決めてしまうのが、もしかしたら、いちばんの近道なのかなと思います。でも、ルールになってしまうと、また、別の新しい決まり事を作らなければならなくなりますし……。やっぱり、これはとても壮大なテーマなんだと、痛感してしまいますね」