「私は、いろんな変化がある20代を、俳優というお仕事で駆け抜けました。出会いもたくさんあって。いろんな言葉にも出会って。出会った全部が、いまの私を構成してくれている。その全部を持って30代になろうと思っています。この先、自分の質をいかに高められるか。本当に、勝負の30代だなって思います。
30代になれば、きっとできる役柄も変わってきます。もう新人ではないので、新社会人という役どころは次の世代の方に繋げていかなくてはいけない。
かといって、たとえば母親の役はできる方がたくさんいる。そのなかで選んでいただくためには、スキルをもっと高めていかないといけません。でも、そこに矢印を向けて『戦うぞ!』みたいな気持ちは、まったくないんですよ」
こう言って、また微笑んだ彼女。最後に「30代のうちにしたいこと」として、「富士山に登りたい」と話す。
「あ〜、でも無理かな。じつは20歳になったときも『20代で必ず富士山に登るぞ』と思ってたんです。でも、あっという間に10年経ってしまいましたから(微笑)」
余計な肩の力を抜くこと、それが持続可能な社会を引き寄せる、その第一歩なのかもしれない。
有村架純◎1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年に『ハガネの女』(EX)でドラマデビューし、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(13)での好演で一躍注目を集める。2015年、『ビリギャル』で主演を努め、日本アカデミー賞主演女優賞・新人俳優賞を受賞、2021年『花束みたいな恋をした』で同最優秀主演女優賞を受賞した。その他主な出演作品は、『ひよっこ』(NHK/17)『そして、生きる』(19)『コントが始まる』(NTV/21)『るろうに剣心最終章』(21)『石子と羽男』(TBS/22)『前科者』(22)など。2023年はNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演。映画「ちひろさん」は2月23日よりNetflixにて配信開始&全国劇場にて公開。