生産者の技術や知識が不足している
カカオ農家は子どものころから学校に行かずに働いている人が多いため、十分な教育が行き届いていない。カカオを育てるための適切な技術や知識を持たずに生産を続けているため、働いても働いても生産量が上がらず、厳しい生活から抜け出せないのだ。
お金に余裕がないと子どもを学校へ行かせることができず、負の連鎖が起こっている。
代替品としてパーム油を使っている
安いチョコレートの大部分は、ココアバターの代替油脂としてパーム油を使用することでコストを下げている。
パーム油の原料となるアブラヤシは、農園開発による森林破壊が問題視されており、1990年〜2010年までの20年間で約350万haの森林がアブラヤシ農園に転換された。
カカオの生産地でも栽培のために熱帯雨林が燃やされており、かつて国土の25%が森林だったコートジボワールでも、現在は森林面積が4%未満にまで激減している。
エシカルなチョコレートを選ぼう
私たちにできることは、すべてのチョコレートをボイコットするのではなく、エシカルなものをバイコットすることである。適正価格での取引、安全な労働環境、環境への配慮を保証する「フェアトレード」や、サステナブルな農園で栽培された作物に与えられる「レインフォレスト・アライアンス」など、認証ラベルを参考に選ぶのもおすすめだ。
認証ラベルがあれば100%安心というわけではないが、すぐに取り組めるアクションの中では最も効果的だと考えられる。
エシカルが当たり前の世界に
フェアトレードは「支援」でも「社会貢献」でもなく、公正な取引であり、本来であれば当然のことだ。不買運動はさらなる貧困を生む可能性があるので、エシカルなチョコレートが当たり前になるように、いい商品があれば積極的に選び、周りにシェアしていこう。
【参考】
・LOTTE
https://www.lotte.co.jp/kengaku/choco/knowledge/06.html
・外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/cacao.html
・帝国書院
https://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index09.html
・マイティ・アース
http://www.mightyearth.org/wp-content/uploads/2017/09/chocolates_dark_secret_english_web.pdf
・The Guardian
https://www.theguardian.com/environment/2017/sep/13/chocolate-industry-drives-rainforest-disaster-in-ivory-coast
・NTT
https://group.ntt/jp/environment/column/earth/no09.html
・GNV
https://globalnewsview.org/archives/9151
※この記事は、2023年1月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です。