前回に続いて、Web3最前線で活躍中のステイクテクノロジーズCEOの渡辺創太さんに、グローバルで通用する組織の組成や経営方針についてお話を伺いました。
第一話:Web3起業家の渡辺創太が米国で得た、事業成長を生む考え方 #1
19ヵ国にメンバーが在籍、24時間体制で運営
内山:僕たちが知り合ったのが2019年で、創太くんが起業したのも同じ年でしたね。現在のステイクテクノロジーズのメンバー構成は?渡辺:今は36人在籍していて、世界19カ国にメンバーが点在しています。
実は大陸ごとに役割を分けていて、アジアはファイナンスと全体戦略、ヨーロッパは開発、アメリカはマーケティングの担当です。さまざまな地域にメンバーがいることもあり、24時間体制で事業開発を行なっています。
同じ部門のメンバー間で時差がないほうが、コミュニケーションにタイムラグが発生せず、スピーディに進められるんです。デベロッパーが日本とアメリカにいたら、質問をして回答を得るまでにほぼ一日かかってしまうので。
内山:大陸によって機能を分けるのは、おもしろいアイデアですね。19カ国にメンバーが在籍していると、各国の労働法を確認するだけでもかなり大変そうです。その点は何か仕組み化しているのでしょうか?
渡辺:「WorkDAO」に一任しています。各国の労働法に合わせた雇用契約の締結から税務計算、給与の支払いまですべて代行してくれる組織です。
仕組みとしては、当社がWorkDAOと契約していて、入社メンバーにはWorkDAOに登録してもらい、そこを経由して給与が支払われます。
内山:なるほど。それは良いサービスですね。僕の会社でもアメリカのいろいろな州に社員がちらばっているけど、米国は州ごとに労働法が異なるっているので、労務だけでも管理部門の労力がとても大きくて。Web3業界に限らず、利用できそうです。
では次に、業務を遂行する際に、マネジメントの観点で気をつけていることはありますか? 文化もビジネス習慣も違うメンバーをまとめるのは、簡単ではないでしょう。
渡辺:たしかに、文化やバックグラウンドはみんなバラバラです。ただ、ハングリーに働きたいというマインドセットが共通していれば良いと、僕は思っています。その精神がない人は当社にはいません。
グローバル規模で採用活動をするなら、シビアに判断するべきです。当社の場合、3カ月一緒に働いて合わないと判断したら、解雇することも珍しくはありません。