研究チームはまた、感染後の状況に、ワクチン接種の有無が影響を及ぼすことも発見した。研究に参加した妊婦のうち、ワクチン未接種だった2人においては、新型コロナウイルスのオミクロン株に感染した後、胎盤に異常が生じた。これに対して、1回接種を受けた妊婦2人のうち、胎盤異常が発生したのは0人、2回接種を受けた妊婦4人のうち、胎盤異常が発生したのは1人、3回接種を受けた妊婦6人のうち、胎盤異常が発生したのは1人だった。
野生株(wild-type)の新型コロナウイルス(Wuhan-Hu-1) に感染した妊婦のうち、2件のケースでは、胎児に脳血管障害が認められた。これらの症例では、脳室の壁に沿った出血、および脳室の形状が左右非対称になるといった症状が確認された。
この研究によると、現在流行しているオミクロン株の亜型の場合、それ以前の株と比較して、胎児や胎盤の病変が起きる頻度や重症度が低くなっていることが示された。とはいえ、妊娠中に新型コロナウイルス陽性と判定された女性は、出生前超音波検査などの胎児画像診断を受け、胎盤に機能不全が起きていないか確認するなど、問題の早期発見に向けた対策を取ることが重要だ。
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forbes.com 原文)