1月17日に国家統計局が発表したGDP成長率は、1970年代以降で最悪だったが、政府関係者は、中国経済がさまざまな困難な課題に直面する中で持ちこたえたと述べ、楽観的な見方を示している。
昨年末のゼロコロナ政策の廃止が、2023年の景気を強く後押しすることに疑いはない。この政策によって金融の中心地である上海では長期にわたるロックダウン措置がとられ、昨年第2四半期の経済成長率はわずか0.4%まで低下していた。
中国が世界に再び門を開きはじめた今、国のリーダーは民間企業への支援を強めている。不動産業界に対する取り締まりを緩和し、新規の融資や債務返済の延長を認めるなどの措置が、不動産デベロッパーの株価上昇に弾みをつけている。もう一つの成長源であるインターネット分野においても、規制が緩和されつつある。
配車サービス大手のDidiグループは、2021年のニューヨーク市場でのIPOで44億ドル(約5600億円)を調達して以降、サイバーセキュリティ関連の調査に直面していたが、16日にようやく新規ユーザー登録の再開を許可されたと発表した。このニュースは、アント・グループが1月上旬に15億ドルの資金調達計画の承認を受けたことに続くものだ。アントが2020年末に予定していた350億ドル規模のIPOは、直前になり当局によって中止に追い込まれていた。
北京の投資銀行Chanson & Co.のマネージングディレクターのシェン・メンは、2023年の中国の経済成長率が5%前後に落ち着く可能性が高いと述べた。この数字は、増え続ける大卒者に十分な雇用機会を確保するための基準値だという。「しかし、この目標を達成するためにはまだ多くの課題がある。内需はまだ回復しておらず、外需も世界的な不況の影響を受けている」とメンは話した。
人口減少も経済のマイナスに
また、中国は迫り来る人口減少の危機にも直面している。国家統計局の17日の発表によると、昨年末時点の中国の人口は前年から85万人減少して14億1175万人になったという。中国の人口が減少に転じるのは61年ぶりとされ、この傾向が続けば高齢化と労働力不足の問題が起きることが懸念される。先週末の保健当局の発表によると、中国では12月8日から1月12日の間に約6万人が新型コロナウイルスで死亡したとされる。しかし、この数字は、中国のパンデミックの規模の大きさや、他の国での死亡率から考えて信憑性に乏しいと指摘されている。
(forbes.com 原文)