「フェス」ビジネスに異状あり。コロナ制限撤廃でも元の姿には戻らない

コーチェラ2023のヘッドライナーに発表されたBLACKPINK(Photo by Rich Fury/Getty Images for Coachella)

1月最後の週末、大型音楽フェスの『GMO SONIC 2023』がさいたまスーパーアリーナで、『FUKUOKA MUSIC FES.2023』が福岡PayPayドームで開催された。

27日には業界待望の新型コロナ対策による大規模イベント収容人数制限の撤廃が決定し適用され、コロナ禍に様々な物議を醸し、打撃も受けた「音楽フェス」の本格再起がいよいよ期待される──。

国内では、パイオニアとも言える『FUJI ROCK FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』、出版社のロッキング・オン・ジャパンが立ち上げた『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』がよく知られるところであろう。

1997年に富士天神山スキー場でSMASHの主催により始まった「フジロック」は1999年から新潟県湯沢町の苗場スキー場を舞台に、2000年にクリエイティブマンが山梨と大阪で初主催した「サマソニ」は千葉市ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセと大阪市舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)で、そして昨年会場を千葉市蘇我スポーツ公園に移した「ロッキン」は2000年から、毎年夏に開催されてきた。

近年コロナ禍などでの中止もあったが、今年は先週から一部ラインナップの発表が始まっている。

世界有数のEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)フェス『ULTRA MUSIC FESTIVAL』の日本版、『ULTRA JAPAN』も都心開催のフェスとして定着したと言えるか。米マイアミの本部からエイベックスがライセンスを取得して2014年に初上陸を果たし、毎年9月にお台場で開催されている。

これらのイベントはそれぞれ、コロナ禍前には10万人超を動員し、人気を博している。

世界的人気の『コーチェラ』は、プレミアムな体験空間が売り

現在、世界で最も人気が高いとされているのは米カリフォルニア州南東部の広大なポロ競技場を会場に1999年に誕生し、モダンアートやポップアートの巨大なオリジナル作品群が展示されるアートの祭典としての顔も持つ『Coachella Valley Music and Arts Festival(コーチェラ・フェスティバル)』だろう。
コーチェラ・フェスティバル2002(Photo by Theo Wargo/WireImage)

コーチェラ・フェスティバル2002(Photo by Theo Wargo/WireImage)


毎年4月に金土日2週間連続で開催され、3日間通しチケット12万5千枚がそれぞれ完売する。

チケットは、最低価格で449ドル、ステージに近いエリアや高品位の飲食設備へのアクセスが許されるVIPチケットの最低価格も1069ドルと高額で、二次流通チケットの場合には5千ドル超も珍しくない。

超一流のアーティストが複数のステージで昼過ぎから深夜まで演奏し、ここ数年の主演級ヘッドライナー、アリアナ・グランデへは800万ドル、ビヨンセやレディー・ガガにも500万ドル以上もの出演料が支払われている。価格に見合う豪華なキャスティングが売り物だ。
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文=北谷賢司 編集=宇藤智子

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