4. 緑色には見えない
確かに、大型望遠鏡を使った長時間露光写真には緑色のコマ(ガスや塵の雲)と2本の尾があるように写っているが、最新の光学装置を使っても、緑色に「見える」ことはなく、双眼鏡では決してない。ちなみに、コマの緑色は彗星にとってはごく普通のことだ。明るい星、カペラの近くにあるZTF彗星を見つける(2023年2月5日、STELLARIUMのスクリーンショット)
5. もう少し待ったほうがいい
今夜外に出てZTF彗星の観測に挑戦することは可能だが、私のおすすめは2023年2月5日の日没後1時間ほどまで待つことだ。まだ完全に消えていることも、特別明るく輝いているだけもないが、その頃は明るい星、カペラの近くにいるからだ。カペラは東の夜空に見えるぎょしゃ座の最も明るい星だ。そこそこ高性能な10 x 50の望遠鏡を持ち、東の空を天頂に向かって(月を超えて)カペラを探そう。必要なら星座・天体観測アプリを使ってカペラを見つけるとよい。
月がうるさいほど明るいので理想的な観測条件ではないが、少なくとも暗い空を探す必要はないということでもある。
2月10~12日頃になってもまだ輝いているだろうから、ZTF彗星を火星のすぐ近くで見ることができるだろう。10x50の双眼鏡を火星に向け、少し左に動かせば見えるはずだ。
ZTF彗星と火星(2023年2月11日、STELLARIUMのスクリーンショット)
一連の不都合な真実は、都合の良い場所で簡単に見える非常に明るい彗星は見たいが、かすかでぼんやりしたしみのようなものを見るために忍耐強く待つつもりのない多くのにわか天文家たちを思いとどまらせることだろう。
しかし、もしあなたがオールトの雲(地球と太陽の約10万倍の距離)からの訪問者をひと目見るために必要な忍耐を備えた1%の人なら、タイミングは良い。2023年2月2日まで、ZTF彗星C/2022 E3は、地球から約4200万キロメートルの位置を通過するまで明るくなっていくはずだ。ただし私のアドバイスは、カペラや火星との接近遭遇まで待つことだ。
澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。
(forbes.com 原文)