労働者たちは多額の報酬、雇用の安定、無料の食事や洗濯サービス、在宅勤務、数々のアメニティや特典に慣れ、力関係に変化が生じた。テック職の労働者に頭を下げるのではなく、現在、投資家が優先されている。
それぞれの解雇
報道によると、人員削減の対象者がどのような理由で選ばれたのか明確ではない。グーグルの従業員は、それが評価によるものなのか、報酬によるものなのか、あるいは特定の指標に結びついたものなのか知らされなかった。CNBCは「誰がなぜ解雇されたのかを知るために、従業員は社の質問プラットフォームであるDoryに殺到し、仮想コミュニティを立ち上げている」と報じた。これに対し、従業員は取締役から翌週に行われる対話集会のために質問を用意しておくようにいわれた。今や元グーグル従業員となったソフトウェアエンジニア(レベル6)のジェレミー・ジョスリンは「グーグルで20年働いた後、思いがけずメールで解雇のことを知ったなんて信じられない。なんという平手打ちだろう。みんなに直接会って別れの挨拶がいえたら良かったのだが」とツイートした。
It's hard for me to believe that after 20 years at #Google I unexpectedly find out about my last day via an email. What a slap in the face. I wish I could have said goodbye to everyone face to face.
— Jeremy Joslin (@jcj) January 20, 2023
#layoffs
ジョスリンはさらに「私の社屋へのアクセスはすぐに失効し、当分の間『ゲスト』として訪問しないようにといわれた」と付け加えた。ジョスリンはこの知らせを冷静に受け止め「何の通知もなかったが、解雇手当が出たのでゆっくり次のことを考える時間ができた」と同情者に知らせた。
エンジニアリングマネジャーのジャスティン・ムーアは、グーグルで過ごした時間を「おおむねすばらしかった」と表現した。ムーアはグーグルで16年以上働いた後、午前3時に解雇された。
ムーアはリンクトインに「Googleで16年半以上働いた後、幸運な1万2000人のうちの1人として今朝3時に自動のアカウント停止で解雇されたようだ。他に情報は何もない。ウェブサイト(こちらも今やアクセスできない)に書かれていた、受け取るはずの画一的な言葉『あなたは解雇されました』という連絡すら受け取っていない」と書き込んだ。
「この件はただただ仕事は人生ではないこと、雇用主(特にグーグルのような顔の見えない大企業)は従業員を100%使い捨てのものと見なしていることを痛切に感じさせる。仕事ではなく、人生を生きよう」とムーアは前向きで大局的な考えを示した。そして、詩人トーマス・ムーアの言葉「I'll lay me down and bleeding a while and then I'll rise and fight again(身を横たえ、しばし血を流す。そして起き上がり再び戦う」を引用した。
グーグルの課題は、次に起こることだ。残った従業員は、使い捨てにされ、安全でなく、いつ解雇されるかわからないという恐怖を感じるようになるかもしれない。このような感情は組織に浸透し、緊張や心配、不安を生み出す。ピチャイと経営幹部が働きかけ、何が起こったのか詳細を提供するには多くの労力が必要だろう。
(forbes.com 原文)