この調査によると、求職者の約40%が、インフレとそれにともなうコスト上昇のため収入を増やす必要があると答えている。ただ、新しい就職先を見つけるのは難しそうだとみている人も全体の66%にのぼり、10%超は現在の経済情勢では減給を受け入れざるを得なくなるかもしれないと覚悟している。
96%という転職志望者の割合について、モンスターのキャリア専門家であるヴィッキー・サレミは、コロナ禍に入って以降の「大量離職時代」さなかの数字と比較しても「驚くほど高い」とCNBCの番組でコメントしている。2021年には米国で過去最多となる約4800万人が離職した。
一方、米国では「ホワイトカラー不況」も始まりつつある。ハイテクや金融、メディアをはじめ各業界で、大卒のオフィスワーカーが大規模なレイオフに見舞われている。
企業が人員削減を進める場合は、コストカットのため採用も凍結されるのが普通だ。ただ、だからといって仕事への応募は控えるべき時期だともかぎらない。コンプライアンスオフィサーなど特定の職種は必須であり、こうしたポストの採用は人員削減中の企業も例外的に続けるはずだからだ。
競争激化は必至、先手の準備を
いずれにせよ、モンスターの調査結果が示すように今年は大勢の人が一斉に新しい仕事探しに乗り出すとみられるため、求人市場の競争は激しくなりそうだ。転職希望者は先手を打って求職活動を進めるべきだ。履歴書やリンクトインのプロフィール更新、リクルーターとのコンタクト、求人情報サイトのチェック、面接時の自己アピールの準備などは早め早めに行うようにしよう。
企業の採用担当者側も準備を急ぐ必要がある。給与額の開示に関するものなど新たな法律や法案の規定にも目配りしつつ、ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を用意しなくてはならない。ニューヨーク市議会では最近、雇用主が正当な理由なく従業員を解雇するのを違法とする法案が提出されている。
(forbes.com 原文)