食&酒

2023.01.28

昆虫は6割強の人が「絶対に食べない食材」

ホットペッパーグルメ外食総研が、人々が避けている食品または食品技術に関する調査を行ったところ、最先端フードテックがメディアを賑わせていう裏にある一般人の本音が見えてきました。やっぱり、昆虫食は厳しいみたいです。

20代から60代の男女1035人を対象にホットペッパーグルメ外食総研が行ったアンケート調査で、もっとも嫌われていたのが昆虫食でした。88.7パーセントの人が「避ける」と答え、さらにそのうち62.4パーセントの人が「絶対に避ける」と言っています。つまり、昆虫はどうしても「無理」ということです。

避けたい食品トップ15には、そのほかに、昔から不人気者の定番である保存料、人工甘味料、化学調味料といった食品添加物がしっかり顔を揃えています。また、意外なところでは工場生産の野菜、養殖物の魚介類も入っています。まあ、これらを嫌う人たちは、今の世の中、むしろ贅沢なワガママ組と言えるでしょう。

面白いのは、3Dプリンターで作った食品、培養肉、プラントベースフード、大豆ミートといった最近耳にするようになったフードテック系の食品です。これらを嫌うのは、聞いたことはあるけどよく知らないので、ただ「気持ち悪い」と感じている人たちでしょう。3Dプリント食品は、一般的な食材を3Dプリンターで成形するというだけで、実質的には普通の加工食品を変わりないのですけどね。これらも養殖の魚介類と同じように安価になって広く普及すれば、みんな有り難がって食べるようになるに違いありません。

ただし、これら2位以下の食品は、「避ける」と「絶対に避ける」の数値に大きな開きがあります。つまり、好きじゃないけど食べてもいいよ、ということです。そこが昆虫食とはハッキリと違っています。実際、昆虫食の話題になるとゾクッと身震いして「虫を食わなきゃならないぐらいなら餓死する」と豪語する人が多くいますよね。

狭い空間で短期間に低コストで大量に飼育できる、環境負荷も低い上質なタンパク源として食品業界や研究機関で大いに注目されているスーパー食材なのですが、我々一般人にとって虫は虫、ワガママと言われようが生理的に無理というのが本音です。粉末にして虫とわからないようにすればいいよね、という人もいますが、そっちのほうが怖いかも。環境的にも倫理的にも昆虫食の合理性は重々わかるのですが、もうちょっと考えさせてください、といったところでしょうか。

プレスリリース:「「避ける」と思われている食品・食品技術発表!「昆虫食」「人工着色料」を避ける人の割合は?」

文 = 金井哲夫

ForbesBrandVoice

人気記事