摂食障害は一般的な精神疾患であり、高い罹患率と死亡率に関連している。2019年のJAMAの研究によると、摂食障害の推定生涯有病率は、40歳までに女性の5人に1人(19.7%)、男性の7人に1人(14.3%)となっている。女性の寿命全体では、13%が摂食障害を発症する可能性がある。これには神経性食欲不振症、神経性過食症、過食などが含まれる。
中年期の摂食障害の有病率はおよそ3.5%であるのに対し、特定の症状は29.3%の有病率と、より一般的である可能性がある。これには、頻繁にカロリーを計算したり、ダイエット食品だけを消費したりするような体重コントロールの行動が含まれる。うつ病、疲労、気分の落ち込みといった更年期の症状が摂食障害と関連していることから、研究者は中年期の女性が影響を受けやすい可能性があると仮定している。
この研究では、研究者は45〜61歳の36人の被験者を対象とした。彼らは大規模な臨床試験の参加者で、摂食障害調査票を記入していた。そして、研究者は、ネットワーク分析統計モデルを適用して、生殖年齢の違いや特定の摂食障害症状の構造について掘り下げた。中高年女性がどのようにして摂食障害になりやすいかをさらに調べるには、はるかに大規模な研究が必要だが、この研究は、身体的不満や身体イメージが最大の危険因子であることを浮き彫りにしている。
北米更年期学会(NAMS)のステファニー・フォビオン理事はプレスリリースで以下のように述べた。「この研究は、若年成人における研究と同様に、ボディイメージへの不満が中年女性の摂食障害の中核的特徴であることを示しています。特に、太ることへの恐怖と食習慣のコントロールを失うことへの恐怖は、更年期および閉経後早期の摂食障害の中心的な症状です。これらの知見は、中年期の女性に対する治療戦略を方向付けるのに役立つかもしれません」
摂食障害は、生活の質の低下、医療治療の必要性の増加、高い死亡率に関連しているにもかかわらず、この障害がさまざまなライフステージでどのように現れるかについてのデータは著しく不足している。また、摂食障害は同じ人の間で再発したり、長期間にわたって持続したりする傾向がある。摂食障害の再発率は、どの診断名でも30%と高いことが報告されている。女性は摂食障害を複数回経験する可能性が高い。
データの不足のため、研究者や臨床医にとって、摂食障害を治療・予防するためのエビデンスに基づく戦略を開発することは、より一層困難なものとなっている。あらゆる種類の摂食障害に対する治療の適用範囲を拡大することで、40歳までに10万人あたり70.5人の死亡を防ぐことができると研究者は推定している。にもかかわらず、摂食障害の治療や支援を受けている人はごくわずかだ。そのため、あらゆる年齢層の女性において、摂食障害の診断がより重要となっている。
(forbes.com 原文)