医学誌『Family Practice』に掲載された新たな論文によると、こうした一般開業医は依然として、肥満の患者に体重の減らし方について価値あるアドバイスを提供するための備えができていない。
現在のガイドラインは、一般開業医が肥満患者に体重の減らし方について助言することを推奨しているにもかかわらず、彼らのアドバイスは漠然としており、科学的根拠を欠き、患者の行動や習慣に配慮していないという。
オックスフォード大学の研究チームは、一般開業医が肥満患者と交わした、録音された会話159件を分析した。
「一般開業医はおおむね、食生活と運動に関する漠然としたアドバイスを与えていたことがわかった。『炭水化物を控えて、もっと運動しましょう』といったものだ」と、論文著者らは述べる。「肥満状態は慢性的で再発しやすいが、患者たちはこれを抑制するのに役立つような、具体的で科学的根拠に基づくアドバイスを与えられていなかった」
米国、英国、カナダでは、公衆衛生政策として、一般開業医やその他の医師に対して、肥満患者を診察する際に、体重の減らし方について話し合うことを推奨している。米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、2017~2020年の期間において、米国人の41.9%が肥満状態、9.2%が深刻な肥満状態だった。
先行研究では、体重減少を目的とした介入やちょっとしたアドバイスが、患者個人の健康とウェルビーイングを増進する可能性が示されている。論文著者たちは、こう述べている。
「一般開業医が肥満患者に対して、体重関連の話題を持ち出すことはまれだ。診察時に平均体重を優先的に話題にしないことに関して、一般開業医はさまざまな障壁をあげる。患者にどんなアドバイスをすべきかがわからない、体重を減らすための最適な方法がわからない、アドバイスに効果があると思えない、といったものだ」
「体重の話題を持ち出した場合、一般開業医がしばしば採用する戦略は『アドバイスの提供』だったが、こうしたアドバイスの内容は不明瞭だった」