健康

2023.01.25

花粉症に地域差 いちばん悩んでいるのは福島県民

プレスリリースより

1月になると、徐々に増えてくるのが花粉症に悩む人々。日本気象協会の予測では、今年のスギ花粉の飛散は2月上旬に九州から関東でスタート。飛散量は九州から東北で前シーズンより多く、特に関東甲信では例年比で200%の見込みだという。

パナソニックは来るべき花粉症シーズンに向けて、花粉に関する全国調査を実施。20歳から69歳の男女4700人を対象にした調査結果からは、花粉症の悩みやケア方法について地域差が見えてきた。

まず、「自身の花粉の悩みを5段階で表現した場合、どれくらいだと思うか」を質問したところ(5が最高)、最も高かったのは福島県で3.65pt。続いて青森県(3.59pt)、沖縄県(3.57pt)という結果に。最も低かったのは鳥取県(3.06pt)で、全国平均は3.35ptだった。

最初に花粉に悩まされたと感じた年齢については、最も低かったのが愛知県で24.5歳。次いで山梨県(25.2歳)、香川県(25.8歳)という順番に。最も年齢が高かったのは、長崎県の32.3歳だった。全国平均は28.4歳で、花粉の悩みを抱え始める時期には、全国で20代前半から30代前半までバラつきがあった。

続いて花粉が気になるシーンを尋ねると、「外出時(郊外)」(73%)、「外出時(都心部)」(46.7%)、「帰宅時」(29.2%)が上位に(複数回答可)。在宅中の換気については、全体で68%が「花粉を気にしてためらう」と回答する一方で、奈良県では「あまりためらわない」「全くためらわない」の割合が41%となるなど、関西地方では比較的換気をためらう人が少ない傾向が見られた。

花粉のケアとして実施していることについては、全体で「マスク着用」「うがい・手洗い」などの手軽な方法が上位に並んだほか、「洗濯物やふとんを外に干さない」「こまめに洗濯する」「帰宅時に衣類の花粉を取り除く」といった衣類に関するケアを行っている人が多いことが見て取れた。

都道府県別に現れた特徴としては、新潟県で「うがい・手洗いをこまめにする」割合(40%)が最も低かったほか(全国平均51%)、宮城県では「帰宅時に衣類の花粉を取り除く」(31%)、「洗濯物やふとんを外に干さない」(37%)の割合が最も高かった(全国平均はそれぞれ18.4%、26.9%)。

花粉ケア用にこれまで購入したもの、購入を検討したものについては、全体で「マスク」(64.3%)、「空気清浄機」(33.1%)、「花粉スプレー」(30.3%)がトップ3に(複数回答可)。1シーズンの花粉ケアにかける金額については神奈川県が最も高く、5000円以上の割合が19%。2位は東京都(18%)となり、最も低かったのは花粉の悩み度数と同じく鳥取県(7%)だった。

埼玉大学大学院の王 青躍(おう せいよう)教授は、外出時の花粉ケアについて「花粉飛散期かつ大気汚染が激しい日には不要不急の外出を避けて、花粉・アレルゲン粒子や汚染物質への暴露を減らすこと」や「激しい運動から軽い運動へ変更すること(例:ジョギングを散歩へ)」、「PM2.5やPM1.0に対応したマスクを着用すること」などをアドバイス。

さらに帰宅時の花粉ケアについては、原則として花粉を外から持ち込まないことが重要だとした上で、「外で衣類に付着する花粉を払ってから、上着を玄関で脱ぐこと」「帰宅後は手洗いやうがいを徹底すること」「できれば手洗いに加え、お風呂やシャワーを浴びて、洗髪など、清潔な身体で入室すること」他を助言した。

「鼻アレルギーの全国疫学調査(※)」によると、花粉症の有病率は42.5%。花粉症は、今や2人に1人がかかる国民病だ。地域によって悩みの度合いやケアの方法に違いはあれど、上記を参考に本格的なシーズン到来までにしっかりと備えておきたい。

※出典:松原篤他「鼻アレルギーの全国疫学調査2019 (1998年, 2008年との比較) : 速報―耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として」

文 = 大柏真佑実

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