Anifie(アニフィー)のCEOである岩崎洋平は、日本で弁護士として活動した後、米スタンフォード大学でMBA(経営学修士)と環境科学の修士号をダブルで取得後、さまざまな事業を手がけた後に、現在のメタバース関連企業を起業した、という異色の連続起業家だ。
今回は岩崎を招いて、メタバース分野で起業に至った経緯、Web3社会がもたらすもの、そして今後の展望などについて話を聞いた。
吉川絵美(以下、吉川):岩崎さん、今日はRipple(リップル)のサンフランシスコ本社までお越しいただきありがとうございます。今日はAnifieについてお話を伺えることを楽しみにしています。
岩崎洋平(以下、岩崎):お招き頂きありがとうございます。
吉川:早速本題に入りますが、そもそもメタバース領域で事業を行うことにしたきっかけは何だったのでしょうか?
岩崎:Anifieでは、当初ロボット向けの共通OSの開発に取り組みました。その後、ハリウッドの著名プロデューサーであるパトリック・ウッドランドと出会い、彼の知人を通じて米国のセレブ・タレントのメタバースコンサートを試しにつくったところ、当人にも、ファンにも喜んでもらえたことをきっかけに、メタバース上で使われるデジタル・アセットの共通規格の実現を目指す事業にピボット(転換)しました。
吉川:メタバースというとさまざまなプラットフォームがありますが、Anifieはこれらとはどう差別化していますか?
岩崎:NFT(非代替性トークン)やメタバースのサービスで著名なDecentraland(ディセントラランド)やThe Sandbox(ザ・サンドボックス)は、ブランドがプラットフォーム上の共通メタバース空間に出店をすることができる「モール型」であるのに対し、Anifieでは、ブランドが独自の世界観をメタバース空間で十分に表現できるように「ホワイトレーベル型」として開発リソースを提供することができます。
吉川:なるほど。今後メタバースは競争も激しくなる一方で、対象とするオーディエンスによってセグメントも分かれてきそうですね。Anifieではブロックチェーンをどのように活用しているのですか?
岩崎:Anifieのメタバースは、ブロックチェーンの上で走っています。アバターやビルなどの構成物を、ブロックチェーンの上に載せることができ、それぞれをAnifieではなく、ユーザーが保有したり、転売したり、購入もできます。ブロックチェーンの上に載っているアセットを、別のメタバースにユーザーが持ち込むこともできます。アセットの知的財産権(IP)を、ユーザーに帰属させることもできます。