テクノロジー

2022.12.28 14:00

ロボット地質学者が1000年の旅へ、系外惑星を調査する驚きの計画


宇宙船が太陽系を出てから何世紀もの間、NASAが交信を続けることもまた大きな課題だ。火星に信号を送るには7分間を要する。くじら座タウ星はその何百万倍も遠い。広帯域レーザー通信の利用を検討すべきだとホーゼンパは提案する。それは近いうちにNASAのサイキ・ミッションでテストされる予定で、2026年に打ち上げが計画されている。しかし、系外惑星に向かう宇宙船は100年間冬眠状態に入るので地球との交信は20年ごとでよい。


系外惑星へ行くには1000年かかる(Getty Images)

他の技術的課題としては、100年間冬眠できる宇宙船、1000年間機能する動力システム、太陽系を離れる時とくじら座タウ星系に侵入する際に、毎秒3200キロメートルで飛んでくる粒子の衝撃に耐えられるシールドなどの開発がある。

進行中のNASAミッションが、プロジェクトRIGELを手助けできる可能性もあると論文に書かれている。NASAの火星探査プログラムが火星表面を探査するために新しいローバー(探査車)を開発する際、岩石質の系外惑星の表面を動き回って生命の兆候や岩石記録を調査する理想的ローバーを作ることを検討することは考えられる。実用的なミッションは、火星で完全無人で行動できる探査機を開発し、1000年後の標的である系外惑星に備えることだ。火星でのデモンストレーションでは、宇宙船が軌道に進入し、自身の着陸場所を見つけ、軌道を離れたあと、高速突入を実行する必要がある。着陸後は、火星を数年間無人で探査するだろう。

同様に、宇宙望遠鏡で新しい系外惑星を発見する研究では、プロジェクトRIGELがどの系外惑星を標的にすべきかを決めることに焦点を当てるかもしれない。いずれにせよ、NASAは2029年までに初期計画を決めるべきだとホーゼンパはいう。

目標の惑星に到着したら、探査ロボットは何をするのか? 生命の兆候を探すのはもちろん、岩石記録を研究して惑星の成り立ちを調べる。

ホーゼンパが約束していることは、1960年初頭のアポロ計画(60年代の終りに人類を月に着陸させた)とよく似ている、ただしスケールは複数の世紀にわたる。系外惑星を探査するにはこれが唯一の方法だ。「恒星間旅行というパズルに魔法の答えはありません」とホーゼンパはいう。「この世代の役目は、まずこの作業の規模を現実のものにして、それから本格的な仕事に取り組むこと。これは私たちが未来の世代に残すことのできる遺産です」

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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