太陽に黒点が複数出現、少なくとも8つの太陽フレアを放出

NASAのSOHO研究所で観測された2022年12月15日の太陽(NASA)

12月14日、太陽表面に黒点が複数出現し、その1つが少なくとも8つの太陽フレアを生みだした。

黒点の1つ、AR3165が「一連の注目すべきMクラス太陽フレアを放出。1日を通じて、数時間以上大きな爆発のないときはなかった」とSpaceWeather.comは報じた。

私たちの太陽は現在、2024年あるいは2025年に起きる11年に1度の「太陽極大期」に向かって拡大しているが、過去数カ月間はむしろ静かだった。

その休眠状態が今週突如終了し、太陽物理学者のキース・ストロングは、この太陽周期の中で最も活動の強い日だったとツイートしている。

現在の第25太陽周期は2019年12月に始まり、観測試乗最も強力なものの1つになると予測されている。


太陽フレアは太陽の大気中の電磁放射が噴出する現象だ。磁場のねじれによって、太陽黒点の上方で起きることが多い。黒点とは、太陽表面の低温で暗い部分のことで、磁場の塊が太陽の奥深くから沸き上がったときに形成される。

Xクラスほど危険ではないものの、Mクラスの太陽フレアは中型サイズで、地球に小規模な放射線嵐や電波障害を起こす能力がある。起きたのはまさしくそれで、周波数15MHz以下の短波が世界中で影響を受けたことが報告されている。

太陽フレアが地球に向くと、地球の磁気圏は荷電粒子を力線に沿って極に向けて加速する。その結果がオーロラ(北極光あるいは南極光)だ。


AR3165は当時地球に向かっていなかったため、地球は結果として宇宙に浴びせられたコロナ質量放出(CME)の影響を大きく受けずに済んだ。太陽のコロナから放出された大量のプラズマと磁場が地球に届くまでに15〜18時間かかると宇宙予報センターは述べている。

コロナ質量放出は巨大なプラズマの雲で、地球に流れてくれば電力網を損傷する恐れががある。

太陽は、2020年代半ばに太陽活動極大期を迎えると考えられているが、それは 終わった後にだけ見ることのできるイベントである。最後の太陽活動極大期は2013、2014年だったが、観測史上最も弱い極大期であると認定された。今回の新たな太陽活動極大期は最強になるかもしれない。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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