ジャッジ、史上最高契約で主将に。ヤンキースの「キャプテンシー」とは

アーロン・ジャッジ外野手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)


ブレイク翌年の2018年。ジャッジは死球で右手首を骨折し、長期戦列離脱を余儀なくされたが、ベンチでチームを鼓舞。シーズン終盤に復活するとチームをポストシーズンに導く活躍で注目を浴びる。
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昨年6月には、チームのスランプに絶妙のタイミングで、選手オンリーのミーティングを招集。誰も標的にせず、課題を指摘し、結束を高めた手腕が評価された。

問題解決スキルの一つとも言える不祥事の後始末でも、ジャッジの対応は見事だった。

今年5月、ドナルドソンが、ホワイトソックスのアンダーソンに対する差別的発言で物議を醸し、処分を受けた際、ジャッジは「正しい行為ではない」と明確に一線を引いて同僚の非を指摘した。当初は「冗談で(差別の)意図はない」と処分不服の申立てをしたドナルドソンも、「チームメイトからの批判は辛かった」と反省。公式謝罪に至った。
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個人の見解と沈黙することもできたはず...。だが、ジャッジが毅然とした態度を公に発信したことで、チームの中で孤立しかかっていたドナルドソンは態度を改め、結果的に救済される格好となった。

メディアとの関係修復を取り持った場面に遭遇したこともある。試合後、クラブハウスに響いていた大音響の音楽が、マイク音声収録の妨げとなっていたため、スピーカーの音量が絞られると、それを不満を感じた一部の選手が記者陣を罵る場面があった。すると状況を知ったジャッジは「皆さんの仕事に支障が出ないように心掛けたい」と即座に申し出て、事態を収拾したのだ。

アーロン・ジャッジ外野手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)
アーロン・ジャッジ外野手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)

また、フィールド外での活動も高く評価されている。

オフには、故郷カリフォルニア州で少年野球チームを無料指導。チームメイトの慈善活動にも協力を惜しまない。2019年には、教育者でもある母・パティさんと子供を対象としたキャンプ・プログラムを支援する「オール・ライズ基金」を立ち上げた。学生の支援基金「#ICanHelp」にも関わり、青少年のSNS上での誹謗中傷撲滅を目指すキャンペーンに精力的に取り組んでいる。
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文=一村順子 編集=宇藤智子

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