世界中で、SDGsの達成に積極的に取り組む企業はどこか。
それを知る手がかりとなるランキングがある。カナダのメディア・投資調査会社コーポレート・ナイツが選定している「世界で最も持続可能な100社」(Global 100 Index)だ。例年、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でも発表されていて、世界的な注目度が高いランキングのひとつといえる。
22年版の調査は、世界の売上高10億ドル以上の上場企業6914社を対象に実施された。企業が開示している財務報告書やサステナビリティ報告書、ウェブサイトなどの情報を、ESG関連を中心とした24のKPIを用いて分析・評価し、サステナブルな企業100社を選出した。
ランクインした企業が本社を構える国や地域の内訳は、欧州が41社でトップ。米国企業は23社で、アジア圏の企業は15社だった。ベスト3のうち、1位には風力発電事業を手がけるベスタス・ウィンド・システムズ、2位にバイオテクノロジー企業のクリスチャン・ハンセン・ホールディングスが選ばれた。いずれもデンマークの企業で、ベスタスは今回のランキングで唯一、総合評価A+を獲得した。
また、米国のエヴォクア・ウォーター・テクノロジーズや香港の北京エンタープライズウォーターグループなど17社が今回、新たにGlobal 100にランクインした。これらの企業のラインナップからは、世界中で水問題の重要性が高まっていることがうかがえる。
気になるのは日本企業の動向だ。今回のランキングでは積水化学工業(22位)、エーザイ(32位)、コニカミノルタ(53位)が選出された。5年連続でランクインした積水化学工業は、21年版の51位から大きくランクを伸ばした。
SDGsへの取り組みが待ったなしのなか、ランキングの上下変動は激しい。先進的な取り組みを手がける企業に学びつつ、100社に選出される日本企業の数が増えることを期待したい。
ランキング算出方法
総売上高10億ドル以上の上場企業6914社を対象にコーポレート・ナイツ社が実施。企業の財務報告書やサステナビリティ報告書、ウェブサイトの情報などをもとに、温室効果ガスの排出量、水生産性、クリーンな収益や投資の割合、離職率、CEOの報酬と従業員の平均報酬の比率、執行役・取締役の人種の多様性、企業年金の質など24のKPI(重要業績評価指標)で各社を評価。